中小企業支援では、官民連携組織「新輸出大国コンソーシアム」を通じた専門家による支援を充実させる。インフラシステム輸出では、日本が得意な技術や環境性能に優れた「質の高いインフラ」の国際標準化に向け、人材育成や官民連携の強化に取り組む。
また、農業分野では、農業資材の調達コスト低減に向けた検討を進め、農家の所得向上を後押しする。資材価格は購入先や地域によって大きな差があるため、流通構造や価格形成システムを透明化することで、自律的に価格が下がる仕組みの構築を目指す。具体策は秋にまとめる方針だ。
【子育て世代支援では未入居賃貸を活用】
新たな成長戦略では「既存住宅(中古)流通・リフォーム市場の活性化」が掲げられ、平成25年に11兆円の市場規模を37年までに20兆円とほぼ倍増させる数値目標が盛り込まれた。
具体策では、優良な住宅の供給を増やすべく、住宅の省エネ化やリフォームを支援する一方、専門家による住宅診断や「プレミアム既存住宅(仮称)」の登録制度といった品質保証により需要を喚起。また、子育て世代などが必要な設備の住宅に入居できるよう、未入居の賃貸住宅を活用した仕組み作りを明記した。
国内の住宅市場では、木造戸建て住宅の資産価値が「20~25年でゼロとなる」とされ、住宅流通量に占める中古の割合は15%前後にとどまる。だが、人口減少が進む中、若年・子育て世代の負担軽減と空き家の増加抑制に向け、新たな住宅市場を開拓・育成する必要が出ていた。