27日閉幕した主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の首脳宣言は、英国の欧州連合(EU)離脱問題について、「成長に向けたさらなる深刻なリスク」と明記し、先進7カ国(G7)の反対姿勢を鮮明にした。英国は6月に離脱の是非を問う国民投票を実施し、同月には米国の再利上げ観測も強まっている。世界経済の「二大リスクイベント」が迫る中、G7の結束力が早速問われることになる。
(藤原章裕、米沢文)
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「英国は貿易大国であり、EUという市場にアクセスできるように残留することは重要だ」
サミット閉幕後の記者会見で、キャメロン英首相はこう強調した。仮にEUを離脱した場合、雇用や投資に悪影響が出ると指摘。オランド仏大統領も会見で、「離脱は英国だけでなく、世界経済にも悪いニュース」と援護射撃した。
英財務省は、EUから離脱すれば、英国の国内総生産(GDP)は2030年までに6・2%縮小すると試算する。税収は360億ポンド(約5兆8千億円)減少し、EUへの拠出金(年約200億ポンド)を上回る可能性が高いという。