消費税率10%への引き上げ再延期で、財政健全化の取り組みは正念場を迎える。国債残高は900兆円を超え、債務償還費などの国債費は歳出の4分の1に上る。将来の金利上昇に伴う国債利払い費の増加なども財政の圧迫要因となる中、社会保障の充実に充てられる予定だった消費税増税分の財源不足は避けられない。成長による税収増とともに、徹底した歳出入改革が迫られる。
税収増頼み
「財政健全化の旗は降ろさない。アベノミクスを加速させて税収を確保し、プライマリーバランス(基礎的財政収支、PB)の黒字化を目指す」
安倍晋三首相は1日の記者会見でこう強調した。
政府は2016年度に始めた新たな財政健全化計画で、新たな借金をせずに税収などで政策経費がまかなえているかを示すPBを20年度に黒字化する目標を掲げる。