政府が前面に出る必然性は、大学のスポーツ施設建設への補助金や、マイナースポーツの振興が大切だからだ。非営利の統括新機関が創設されれば登録も一元化され、事務上も便利になる。競技場使用のスケジュール調整も容易となり、多くの競技で人気を高める効果も期待できる。
大学のスポーツ施設の貧弱さが、一般教養科目の「体育実技」を選択制に移行させるとともに、生涯スポーツの動機付けをも怠らせている。健康寿命を延伸させ、高齢者の医療費削減を目指す上でも大学のスポーツ施設は重要だ。だが、この施設建設への補助金はすずめの涙。大学は積極的に取り組まなくなっている。
2020年の東京五輪・パラリンピック開催を機に、政府・与党の取り組みを評価したい。新組織が稼働すれば、国際交流も促進され、スポーツ・ツーリズムの振興にも寄与する。ただ心配なのは、集客力のある団体をいかに納得させるかだ。各大学の協力姿勢も問われる。
大学スポーツ界で成長分野を発掘し、いかに料理するか、政府の手腕が問われる。
【プロフィル】松浪健四郎
まつなみ・けんしろう 日体大理事長 日体大を経て東ミシガン大留学。日大院博士課程単位取得。学生時代はレスリング選手として全日本学生、全米選手権などのタイトルを獲得。アフガニスタン国立カブール大講師。専大教授から衆院議員3期。外務政務官、文部科学副大臣を歴任。2011年から現職。韓国龍仁大名誉博士。69歳。大阪府出身。