
中国全人代で政府活動報告に向かう李克強首相。左は習近平国家主席=3月5日、北京の人民大会堂(共同)【拡大】
偶然ではない“応酬”
一方、インタビュー記事の刊行と同じ日に、国営通信の新華社は、行政規制の緩和に関するテレビ会議での李首相の談話の要旨を流した。
談話の中で李首相は「中国経済の減速に対して、我々はこれまでにむやみに景気刺激策を導入するのではなく改革で対処してきた」と強調した。
同じ日に権威筋のインタビュー記事と李首相の談話が流されたことについて、呉氏は「決して偶然ではなく、その内容をみると両者の間で対立の構図が一層はっきりと見て取れる」と注目する。
中国では、経済政策は伝統的に国務院総理の所管。しかし、過去数年来の権力の集中に伴い、習国家主席は経済政策を立案し、決定する共産党内の組織の長も兼任した。
そのため、これまでの経済政策に大きなミスがあったとしても、その責任を全部、李首相に帰するには無理があるといえる。
呉氏は「それにもかかわらず、あえてインタビューが刊行されたのには、きっと経済と関係ない別の意図がある。最高指導部内での権力の争いが相当のレベルまで激化している」と推測する。