
ミドリムシ由来の国産バイオジェット燃料計画をアピールするユーグレナの出雲充社長(左から3人目)ら。国産化の実現に向け期待が高まっている=2015年12月、羽田空港【拡大】
バイオジェット燃料は現在1リットル当たり3000円程度と原油由来のジェット燃料の約30倍も高価だ。政府は試験飛行で国内外の注目を集めることで導入を加速し、量産効果を生み出すことで価格を引き下げたい考え。
ただ、20年はあくまで実用化に向けた前段階にすぎない。航空業界が希望する国産燃料の供給想定量は年間百数十~千数百キロリットル程度にとどまり、製油所の1回当たりの生産規模(1万~2万キロリットル)にはるかに及ばない。
このため、製油所は専用の製造ラインなど設備の増設・改造に数億円が必要になる。貯蔵タンクの確保や出荷体制の見直しも加わって稼働コストが大幅に上昇するため、国産バイオジェット燃料は当初、相当高額になる見通しだ。実用化の過程で、買い取り費用の負担を誰がどう行うかが今後の論点になる。
欧米では製油所など燃料製造事業者が政府の助成を受けてプロジェクトを進めているケースが多く、国内でも同様の枠組みが採用される可能性が高そうだ。