
ケニアのケニヤッタ大統領(右)と共同記者発表する安倍首相=8月26日、ナイロビ(代表撮影・共同)【拡大】
賄賂が日常の光景である中国とアフリカ諸国は、意思の疎通も手っ取り早い。
ただし、中国人はどこまでいっても中国人のまま。札ビラをちらつかせる傲岸不遜の反り返った態度に、誇りを傷つけられたアフリカ人も多い。本国より引き連れてくる労働者や労働者の衣食住を目当てに群がる中国企業が、アフリカ各地にチャイナ・タウンを造り出し、インフラ建設と二重写しとなって、チャイナ・パワーに侵食されていく祖国に危機感を強める常識有る指導層も出始めている。中国・国営新華社通信は《経済や政治への『雑念』と海外への軍事拡張の『野心』を隠せない》と、日本主導のTICADVIを批判したが、自らの『雑念』『野心』をうっかり、表に出してしまったようだ。
今次TICADVIで、安倍首相は12カ国の首脳に支援を求められ、約束したが、単なる経済・人道支援ととらえず、中華圏に組み込まれていくアフリカの首脳たちが発した悲痛な「SOS」と理解すべきだ。
現に、中国が手掛けるモンバサ港開発に、安倍首相が名乗りをあげると、ケニア大統領は喜んで賛同した。チャイナ・マネーの手前、中国に面従腹背するアフリカ諸国は多いが、「スパイ事件」で中国の恐ろしさを目の当たりにしながらも、圧力をかけられ、事件を黙認した?ケニアは筆頭格だろう。