だが、基準の最大40倍もの窒素酸化物(NOx)を排出する規制逃れに手を染めたVWについて、自動車メーカー関係者は「米当局は、自分たちをだまして大気を汚染し、問題発覚後も隠蔽(いんぺい)しようとしたVWを許しておらず、本当のヤマ場はこれからだ」と指摘する。
技術者の証言を得て厳しく追及する司法省とVWが和解にこぎ着けるかは依然として不透明だ。和解金はトヨタ自動車が14年に「意図しない急加速」をめぐる情報公開問題で司法省と合意した際の12億ドルを上回り、自動車メーカー1社の金額としては過去最大になる可能性があるという。
最大約1100万台に上る対象車のリコールは16年中の完了が目標だったが、改修方法をめぐり運輸当局の認可にてこずり越年が確実な情勢。DPA通信によると、対象車のうち約520万台の許可が出たが、全体の半分程度。米国ではリコール計画を却下されるなど難航している。(ニューヨーク、ベルリン 共同)