日銀の岩田規久男副総裁は7日、長崎市で記者会見し、マイナス金利政策に関連し「事前の予想を覆すぐらい金利が下がり、家計のマインドを冷やす危険が出た」と述べ、誤算があったとの認識を示した。「(これまでの政策判断で)一番迷った」とも述べ、導入に当たって迷いがあったことも明かした。
現在進行している長期金利の上昇については「ほぼ0%の範囲にあり、悪影響を及ぼしているという状況ではない」と述べ、特段の対応は必要ないとの見方を示した。
また、2013年3月の就任当初、物価目標を達成できなければ辞任する考えを示していたことに関連し「間違った政策のために達成できなかった場合には辞任だというのが本意だ」と述べ、辞任の必要性を否定した。
岩田氏は当時「日銀が言い訳しないという立場に立たないと、市場が金融政策を信用しない」とも述べていたが、「原油価格の急落などが物価を引き下げたのは、言い訳ではなく事実だ」と強調した。