定員オーバーで閉まらぬエレベーター、水洗トイレで洗濯…真珠湾慰霊で見えた中華帝国の正体 (6/7ページ)

英エコノミスト誌(2015年8月21日号)の表紙
英エコノミスト誌(2015年8月21日号)の表紙【拡大】

  • 中国からの団体客らでにぎわう免税店=東京・銀座(宮川浩和撮影)
  • 真珠湾のアリゾナ記念館(奥)を訪れ、演説後に握手する安倍晋三首相(左)とオバマ米大統領=平成28年12月27日、米ハワイ州ホノルル市(代表撮影)
  • 安倍晋三首相とオバマ米大統領が慰霊に訪れた米真珠湾のアリゾナ記念館(手前)=ハワイ・オアフ島(鈴木健児撮影)

 例えば、英国駐在の中国大使は、英エコノミスト誌(2015年8月21日号)に《安倍晋三首相はヴォルデモート卿だ》と寄稿した。ヴォルデモート卿は英国の作家J.K.ローリングの小説《ハリー・ポッター》シリーズに登場する、目的のためなら手段を選ばない、冷酷無比で最も邪悪な魔法使いだ。エコノミスト誌の表紙は、中国の習国家主席がペン型の小銃を抱えていた写真だったが、記事でも中国の対日批判が日本の《悪魔化》だと、こんな具合に確信していた。

 《中国は軍事力を誇示し、周辺諸国を威圧する》

 《一方で、日本は再び他国への侵略を始める危険な国家だと宣伝する》

 《しかし、日本と戦争したのは中国共産党ではなく国民党だった》

 《中国共産党は現有の野望を正当化せんと、過去の歴史を改ざんし、悪用している》

 《現在の日本は帝国主義時代の日本とは根本的に異なる。中国の歴史認識は大きく誤っている。今の日本は平和主義に徹し、核兵器を忌避する平和国家だ》

 《中国が日本を『悪魔化』することは不公正で危険だ》

 《習国家主席は歴史より真実の教訓を学び、歴史を改ざんして自国に有利な解釈をする行いを止めるべきだ》

 エコノミストの中国観はほぼ正しい。いかに日本を《悪魔化》しようとも、チベットや新疆ウイグルで少数民族の虐殺や文化の消滅を謀る悪魔の残虐性は隠しおおせない。札ビラを見せられ、悪魔に魂を売った国々は、いずれ「悪魔払い」をする運命に遭う。

安倍首相の慰霊演説にはこうある。「あの日、爆撃が戦艦アリゾナを2つに切り裂いたとき…」