コインは本当に消えたのか-。被告が主張するように「確かに外部からのハッキングで消失したBTCもある」と捜査関係者は指摘する。しかし、検察側は、ハッキング被害はごく一部にすぎず、被告が内部システムを不正に操作したことや顧客の資金を流用したことなどが破綻の背景にあるとみる。弁護側は内部操作などを認めつつ、「不正に当たらない」との立場だ。
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内部操作の違法性をめぐっては、法の“抜け穴”も浮かび上がった。
当時は国内でBTCの法的位置付けが明確でなく、「金融の世界では基本」(業界関係者)とされる顧客資産の分別管理義務が明示されていなかった。
「赤字を顧客の金で補填(ほてん)していないか」。検察側は、被告に対するマウント社従業員らの懸念の声を紹介。対する弁護側は「顧客が入金した資金はマウント社に帰属する」とし、主張は真っ向から対立する。
一方、事件で明るみに出た仮想通貨の課題は整理されつつある。4月施行の改正資金決済法では、取引所に資産の分別管理や定期的な外部監査が義務づけられた。仮想通貨を扱う業界団体「日本ブロックチェーン協会」(東京)などは業界ルール策定を検討中だ。
BTCに詳しい斎藤創弁護士は「現在のユーザーは投資目的などが主だが、利用可能な場が広がればまだ需要は増える」とみる。匿名性の高さから「犯罪に悪用される」との懸念はいまだ根強いが、BTC自体の信頼性は揺らいでいない。
需要を裏付けるように、マウント社の資産である約20万BTCの価格は初公判時点で既に、破綻当時の約120億円相当から5倍に当たる約600億円相当まで跳ね上がっていた。「BTC消失の原因究明を行う」と、法廷で語ったカルプレス被告の審理は10月に再開される。
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「登録完了」「身に覚えのない方はこちらへ」。4月、無料の漫画サイトを閲覧していた東京都の30代女性のスマートフォン画面に突然、そんな文言と問い合わせ先の電話番号が表示された。