高速鉄道受注、日本はインドの「新幹線方式」採用を弾みに 中国攻勢で激戦 (2/2ページ)

高速鉄道の起工式に出席し、インドのモディ首相(右)と握手する安倍首相=2017年9月、インド・アーメダバード(共同)
高速鉄道の起工式に出席し、インドのモディ首相(右)と握手する安倍首相=2017年9月、インド・アーメダバード(共同)【拡大】

  • 中国の協力で建設される高速鉄道の起工式で、中国側代表らと並ぶタイのプラユット首相(中央)=2017年12月21日、タイ・ナコンラチャシマ県(共同)

 「タイの持続可能な発展に寄与し、人々の生活水準の向上に役立つ」。昨年12月21日、タイ東北部ナコンラチャシマ県クランドンで中国が協力する高速鉄道の起工式が行われ、李克強首相のメッセージが読み上げられた。

 タイのプラユット首相は「両国は貿易や投資など、全ての面で良い関係を維持してきた」と応じ、中国との関係の強さをアピール。タイは別路線では日本と協力する「両にらみ」の方針を取り、微妙なバランス外交を展開している。

 他は白紙状態

 日本はインドが計画している残り6路線にも新幹線方式の採用を求めている。だが、交渉に進展はなく「白紙の状態」(インド鉄道省関係者)が続く。日本企業からは「1路線では採算に合わない」との声が上がる一方、低コストを前面に中国や欧州の車両メーカーが受注の機会をうかがう。インドは「国産」を重視しており、車両やシステム技術を輸出したい日本側の考えとは必ずしも一致していない。当初の想定と異なり大部分を高架化する計画となり、事業費の増加も予想され。日本政府関係者は「先は全く見通せない」と話す。(ニューデリー、クランドン 共同)