【社説で経済を読む】貿易戦争、その「根っこ」とは何かを考えたい (1/3ページ)

中国製品への制裁措置を指示する大統領令に署名するトランプ米大統領(AP)
中国製品への制裁措置を指示する大統領令に署名するトランプ米大統領(AP)【拡大】

 □産経新聞客員論説委員・五十嵐徹

 トランプ米大統領が知的財産権の侵害を理由に、中国に制裁関税を課す大統領令に署名した。鉄鋼とアルミニウムへの新たな関税導入では、中国に加え、日本も対象になった。中国は対米報復措置をほのめかしている。

 一連の措置は議会の同意がなくとも大統領の判断で制裁措置をとれる米通商法301条などに基づくが、世界最大の経済大国による一方的措置の応酬は世界経済を暗転させかねない。

 主要ターゲットは中国だとはいえ、制裁対象には日本も含まれた。外交、安全保障で命運を共有する同盟国であっても、通商問題ではいささかも容赦しないトランプ政権の特異な姿勢を改めて浮き彫りにした格好だ。

 当然ながら各紙社説は3月24日付で、一致してトランプ政権の強硬な保護主義政策を批判した。

 産経は「大国が貿易相手国を恫喝(どうかつ)する手法は、自由貿易の秩序を崩すもの」だと不満をあらわにし、日経は、「強硬姿勢を取ることで、相手国から何らかの譲歩を引き出そうとする『取引至上主義』の考え方だ」と“トランプ流”に警告を発した。

 秋に中間選挙を控えたトランプ氏には、国内産業の庇護(ひご)者をアピールする狙いがあるのだろう。だが、大国の衝突がエスカレートするようなら、世界貿易は停滞・縮小が避けられない。米国の制裁発動を懸念した金融市場は大荒れとなり、平均株価は一時1000円超も暴落した。

反省なき中国の責任