
中国製品への制裁措置を指示する大統領令に署名するトランプ米大統領(AP)【拡大】
反省なき中国の責任
知的財産権の侵害をめぐっては、米通商代表部(USTR)が今後、制裁関税を課す具体的対象のリストづくりに入る。情報通信関連を中心に最大600億ドル(約6.3兆円)相当が見込まれるという。
トランプ氏は、「対米黒字が大きいほど市場は閉鎖的」だと断じるが、日経は「2国間収支と市場開放度は基本的に関係ない」と反論する。
世界貿易の縮小は、ブーメランとなって米国経済に跳ね返る。読売は、「関税が輸入物価を引き上げ、消費者にとっても事実上の増税となる。消費が冷え込めば製造業者にも益はない」と指摘する。
中国国営企業による鉄鋼ダンピング(不当廉売)はすでに下火傾向にあり、対中輸入量は大幅に減っている。高品質の日本製品が値上げされて困るのは米国企業の方だ。
トランプ政権とて気付かぬわけではなかろうが、強硬措置の背景には、目に余る中国の知的財産権侵害がある。
中国が世界貿易機関(WTO)に加盟したのは2001年だが、当時も最大の問題は中国による偽ブランド品の大量生産・販売であった。欧米社会が加盟を後押ししたのも、中国をWTOルールに組み込めば、公正な貿易取引が期待できると踏んだからだ。
ところが、その期待はことごとく裏切られてきた。朝日も、「中国による知的財産侵害は長年の懸案だ。企業が中国に進出する際、合弁会社の設立などを通じて技術供与を強要されるといった批判は、米国のほか欧州や日本でも聞かれる」と指摘する。