海外情勢

政府の取引禁止に20万人超が反発 なぜ韓国人は「仮想通貨」が大好きなのか (4/5ページ)

 韓国国内の取引金額は世界の約30%を占める

 こうした国民の猛反発を受け、規制強化の動きはやや沈静気味になった。1月末からは、「取引口座・アカウントの実名制」が導入されるなど一部規制は実施されているものの、「国内での取引全面禁止」といった“強硬論”を貫こうとする役人の声はあまり聞こえなくなってきた。

 韓国は世界でも有数の“仮想通貨大国”である。国際市場に及ぼす影響も大きい。韓国・保険研究院が発行しているレポート「国内仮想通貨取引の特徴と示唆点」によれば、「韓国国内の仮想通貨取引金額は36.1億ドルで、全世界121.4億ドルの約30%を占める」という。そして韓国市場には、仮想通貨界の基軸通貨であるビットコインの取引額が相対的に小さいという特徴がある。「全世界の仮想通貨取引額でビットコインが占める割合は63.4%だが、韓国国内の取引割合は32.7%」(前出レポート)にとどまっている。つまり、暴騰・暴落の幅が大きい「アルトコイン(草コイン)」の取引比率が高く、人々が仮想通貨に一発逆転の夢を抱く傾向が強いと分析できる。

 前出の韓国大手メディアの記者は「韓国人の博打好きを象徴しているかもしれない」と話す。

 「規制が厳格な中国から資金が流れてきて、取引額が膨らんでいる背景もあります。これまでは実名でなくても問題なかったり、税金がかからなかったりという利点があったからです。とはいえ、韓国国内での取引額の多さは、韓国人の博打好き、もしくは博打にのめり込む気質を象徴しているかもしれません。日本であれだけ乱立しているパチンコ店が、08年には国を挙げて全面禁止された歴史があります。理由は、国民がのめり込みすぎて国が傾くから。政府役人は、仮想通貨にも似たような危機感を抱いているのかもしれませんね。……え? 僕ですか? いろいろな種類の仮想通貨を持っていますよ」

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