【山本隆三の快刀乱麻】ガス火力、再エネの潮流不変 効果薄い米大統領の石炭復活策 (4/4ページ)

  • 米国内の石炭火力発電所=ワイオミング州(AP)

 石炭火力の設備容量は今年6月時点で2億4500万キロワット。ACEを導入すると、30年時点で1億7700万~1億8100万キロワットに減少するとされる。CPP導入ケースと比べると、石炭火力の発電電力量は830億~1100億キロワット時増加するとEPAは予測している。

 米国では、ACEが石炭復活を後押しするとみる専門家は少ない。産炭地に近い一部の石炭火力では改修によりプラントを長く使うことがあるかもしれないが、経済性の問題から石炭離れが進んでおり、老朽化する石炭火力を天然ガス、再生エネ発電設備に置き換える大きな流れは変わらないとみられる。トランプ政権は引き続き石炭復活策を模索することになるだろう。

【プロフィル】山本隆三

 やまもと・りゅうぞう 常葉大学経営学部教授。京大卒業後、住友商事に入社。地球環境部長などを経て、2008年プール学院大学国際文化学部教授、10年から現職。財務省財務総合政策研究所「環境問題と経済・財政の対応に関する研究会」、経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。現在、国際環境経済研究所所長、NEDO技術委員などを務める。著書に『経済学は温暖化を解決できるか』(平凡社)、『夢で語るな日本のエネルギー』(マネジメント社)など。