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「国のあり方考える機会」 無国籍だった早大教授にブレグジットを聞く (1/4ページ)

 人はどこかの国に属している-ことになっているが、この枠組みからこぼれ落ちる人たちもいる。陳天璽・早稲田大教授もそのひとり。中国、台湾、日本の外交のはざまで生後間もなく中華民国の国籍を失い、30年以上無国籍だった。英国の欧州連合(EU)離脱やトランプ米大統領による国境の壁建設の動きを残念に思いつつも「国や国籍を考えるいい機会」だと言う。無国籍の立場から世界はどう見えるのだろうか。(聞き手 坂本英彰)

 --英国は国境なき世界を歌う「イマジン」を作ったジョン・レノンを生んだ国ですが、超国家的な共同体を目指すEU離脱は全く逆ですね

 「英国は歴史的にはいろんなところに出て行って自分のものにし、植民地をつくった国。それが内向きになっている。2001年の米中枢同時テロがきっかけかもしれませんが、世界各地で社会が内向きになってきている感覚があります」

 「自己と他者、間にあるあいまいな部分が受け入れられなくなっているように思います。どうにかしてカテゴライズしたがる。ウィンウィンな関係にする発想が乏しく、むしろキックアウトしようとする。非常に残念です。社会は便利になっているが管理が強まった。お金もピッとカードをかざせば支払えるが、全部管理されている。自由な部分が減っているのです」

 --EU内は自由に移動できたのに、それを閉ざすのがブレグジットです

 「移民が入ってきて仕事が奪われる。ギリシャとか他の国の負債をカバーしたくない。自分たちの権益を守り、外から来る人を排除する動きですね」

 マイノリティーがマジョリティーに

 「おかしいと思うのは、肌の色が違う、信仰が違う人たちが一緒に暮らすダイバーシティー(多様性)がすでにあるのに大事にしないこと。映画『ボヘミアン・ラプソディ』でもフレディ・マーキュリー自身はイギリス人と思っているのに『パキ』(パキスタン人)と呼ばれていた。1960年代と同じことがいまも繰り返されている。なぜどこかの国にカテゴライズしないと気が済まないのか」

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