「ただ『ボヘミアン・ラプソディ』には多くの人が感動したという。彼は性的マイノリティーでもあったのですが、そういうマイノリティーを理解する人は確実に増えている。私にしてもチャイニーズと認められず日本人とも認められないヘンテコなひと。たとえば大坂なおみさんも、普通の日本人のイメージではないでしょう。そういうひとはいっぱいいます。社会は多様化し、いまのマイノリティーもいつかはマジョリティーになるでしょう」
〈陳さんの父と母は中国大陸に生まれ国共内戦の混乱で台湾に渡った。父は1950年代に留学生として日本に移住し、母は後に5人の子供を連れて来日、その後の1971年に横浜で陳さんが生まれた〉
〈1972年、日本は中華人民共和国と国交正常化する一方で台湾・中華民国と断交した。中華民国国籍だった両親は安全性やアイデンティティーなど悩んだ末に無国籍を選択。陳さんはさまざまな葛藤を経て2003年、日本国籍を取得した〉
--自身の経験が、国籍に関する研究や無国籍者の支援に向かわせたのですね
国の枠にはまらない
「国籍というのは人を管理するために生まれた制度です。昔から土地に住んでいた人のうえに国家という体制が乗っかってきた。それによって個人には義務が、国家には責任ができた。恩恵を受けるひともいるが、足かせになっている人もいる。陰の部分はあまり見られていません」