ニュースを疑え

「国のあり方考える機会」 無国籍だった早大教授にブレグジットを聞く (4/4ページ)

 「彼らの社会を見ると私たちは国の恩恵を受けることに慣れてしまっているようにも思うのです。逆に中国のように、情報を厳しく管理されるといった国家の問題もあるのですが。国の制度に照らしてメンバーシップのメリット・デメリットを考えれば、これからの生活にあった形ができるかもしれません」

 未知数のブレグジット

 --EUはメンバーシップではありませんが、構成市民の多様性を認めるという方向性はありました。ただ近年の移民・難民流入で障壁は高くする方向にあり、ブレグジットはそこからも出るという動きです

 「たしかに英国の国民投票では、EUから出て行きたい人たちが多数だった。しかし英国という国家にとってだけではなく、英国民個々人のメリット、デメリットも未知数です。どうなるかわからないし、出てみたが失敗だと考えて戻ってくるかもしれない。英国人にとってもその他の国の人々にとっても国家や国籍のあり方、そのメリット、デメリットを考えてみる機会になると思います」

 【プロフィル】陳天璽 昭和46(1971)年、横浜市生まれ。筑波大大学院国際政治経済学博士。国立民族学博物館准教授を経て早稲田大国際学術院教授。専門は国際コミュニケーション論、移民・マイノリティー研究、文化人類学。平成17年、自らの生い立ちをつづった『無国籍』を出版。他の著書に「パスポート学」など。

 【用語解説】ニュースを疑え

 「教科書に書いてあることを信じない」「自分の頭で考える」。2018年のノーベル賞を受賞した本庶佑・京都大特別教授はそう語りました。ではニュースを的確に理解し、事実から「真実」を見極めるにはどうすればいいでしょうか。各界の論客に時事問題を独自の視点で斬ってもらい、考えるヒントを提供するのがこの企画の狙いです。

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