小曽根真×真山仁対談

(中) 神戸“縁”のふたりが想う二つの震災 (3/3ページ)

 「自粛」より行動を! それが何かを生み出す

 真山 「東日本」から10年という節目を迎えて、小曽根さんは思うことありますか。

 小曽根 コロナ禍でも問題となりましたが、「自粛」の意味ですね。被災者の置かれた立場を思うと、自粛して寄り添う気持ちを表現するのも意味があるかも知れない。でも、僕は「被災地を応援できる立場にある人は、やれることをどんどんやった方がいい」と考えてきました。KissFMの放送も、それが理由でした。「自粛」からは、何も生まれないんですよね。それより、周囲は普段以上に頑張って、お金だけじゃなく、活力やエネルギーを送るべきだと思います。

 真山 まったく同感です。被災者と一緒に沈んでいる場合じゃない。周囲は、逆に様々な刺激を発信して、被災者に対して出来ることをどんどんしていくという発想は、とても大事だと思います。

 小曽根 被災地で辛い思いをしている人がいるから、祭りや賑やかなことは慎めという意見も分かる。でも、そんなことでは何も生まれないから、ポジティブに行動しよう。そういう人がいてもいいし、僕はそういう行動が出来る人でありたいんです。

 元々、常に行動ありきな性格でしたが、アメリカでさらに鍛えられた(笑)。やってみて、ダメならやめればいい。その時も学ぶことがたくさんあります。日本は、設計図を書いている段階で、もめてしまって、結局、何もできずに終わる場合が多いじゃないですか。それは、改めたいですね。

 ■小曽根真(おぞね・まこと) ジャズピアニスト。1983年、バークリー音大ジャズ作・編曲科を首席で卒業。米CBSと日本人初のレコード専属契約を結び、アルバム「OZONE」で全世界デビューした。ソロ・ライブをはじめゲイリー・バートン、ブランフォード・マルサリス、パキート・デリベラなど世界的なトッププレイヤーとの共演や、自身のビッグ・バンド「No Name Horses」を率いてのツアーなど、ジャズの最前線で活躍している。2003年にグラミー賞ノミネート。2011、国立音楽大学(演奏学科ジャズ専修)教授に就任。2015年には「Jazz Festival at Conservatory 2015」を立ち上げるなど、次世代のジャズ演奏家の指導、育成にもあたる。2020年春には、コロナ禍の緊急事態宣言中、53日間に及ぶ自宅からの配信活動「Welcome to Our Living Room」も話題となった。2021年3月に還暦を迎え、全国各地で「OZONE 60 CLASSIC x JAZZ」ツアーを開催する。主な日程は下記の通り。

3月25日(木) 東京:サントリーホール 大ホール

3月27日(土) 名古屋:愛知県芸術劇場コンサートホール

3月28日(日) 秋田:アトリオン音楽ホール

4月 3日(土) 大阪:ザ・シンフォニーホール

5月22日(土) 福岡シンフォニーホール  ほか

http://www.hirasaoffice06.com/artists/view/187?artist=Instrumentalists

 ■真山仁(まやま・じん) 小説家。昭和37年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科を卒業後、新聞記者とフリーライターを経て、企業買収の世界を描いた『ハゲタカ』で小説家デビュー。同シリーズのほか、日本を国家破綻から救うために壮大なミッションに取り組む政治家や官僚たちを描いた『オペレーションZ』、東日本大震災後に混乱する日本の政治を描いた『コラプティオ』や、最先端の再生医療につきまとう倫理問題を取り上げた『神域』など骨太の社会派小説を数多く発表している。初の本格的ノンフィクション『ロッキード』を上梓。最新作は「震災三部作」の完結編となる『それでも、陽は昇る』。

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
SankeiBiz編集部員が取材・執筆したコンテンツを提供。通勤途中や自宅で、少しまとまった時間に読めて、少し賢くなれる。そんなコンテンツを目指している。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus