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ソフトバンクのスプリント買収 イー・アクセス会長「成功できる…気がする」

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ソフトバンクのスプリント買収 イー・アクセス会長「成功できる…気がする」

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イー・アクセス千本会長 【トップは語る】イー・アクセス会長 千本倖生さん(70)

 --来年2月にソフトバンクの完全子会社になる

 「今年2月に発表した中期経営計画に基づき、独自の成長路線を模索していたが、ソフトバンクの孫正義社長から大変情熱的な(買収の)提案があった。ソフトバンクが販売する米アップルの『iPhone(アイフォーン)5』と、イー・アクセスが持つLTEネットワーク。そのシナジー効果を考えると、ソフトバンクと一緒に伸びた方がより成長できると判断した」

 --楽天やKDDIからも提案があったようだが、ソフトバンクの何が良かったのか

 「(イー・アクセスの株式買収の)金額も大事だが、弊社社員に対する統合後のケアも大事だ。ソフトバンクとイー・アクセスは経営判断が速く情熱的。社風が似ているということも大きい」

 --創業者として忸怩(じくじ)たる思いは

 「イー・アクセスの会社やブランドは残り、独自の存在感を発揮できる。そもそもベンチャーというのは立ち上げて、成長して、最後は何らかの出口がある。その意味では今回、最良の出口に着いたということだ」

 --今後、国内の携帯事業者はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社の寡占状態になる。ベンチャーが育つ余地がないのでは

 「可能性はある。大事なのはベンチャーが出てくるような環境整備だ。米国ではベンチャーへの投資は日本より活発だし、新規参入者のために優先的に一定の周波数帯を割り当てる仕組みもある。日本も見習うべきだ」

 --ソフトバンクは米携帯電話3位のスプリント・ネクステルも買収する

 「国内は市場が小さくなっていくから、海外に出るのは正しい選択だ。ソフトバンクなら成功できる、という気がする」(渡部一実)

【プロフィル】千本倖生(せんもと・さちお) 京大工卒、1966年日本電信電話公社(現NTT)入社、84年第二電電(現KDDI)を共同創業、94年副社長。99年イー・アクセス創業し社長就任、2005年会長就任。奈良県出身。

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