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日産“逆流”で国内死守へ アジア巻き込む「モノづくり新戦略」

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日産“逆流”で国内死守へ アジア巻き込む「モノづくり新戦略」

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日産自動車の最近のモノづくりの動き  日産自動車が国内生産の維持に向け、新たなモノづくり戦略に着手した。苦戦が続く国内販売のてこ入れと工場の稼働率アップを図るためだ。キーワードは「逆」。

 タイ工場から完成車を持ってくる「逆輸入」の拡大に加え、中国などから部品を調達し国内で組み立てる「逆ノックダウン(KD)生産」により国内生産を“意地”でも死守する考えだ。「アジアを巻き込んだ日本の新たなモノづくり」(志賀俊之最高執行責任者=COO)が始まった。

 部品調達に“工夫”

 今月5日に国内販売を始めた小型セダン「シルフィ」。中国やタイの同車生産拠点が使っている部品を輸入し追浜工場(神奈川県横須賀市)で組み立てる逆KD生産を取り入れた。国内から部品を海外に輸出し、現地で車両を組み立てるKD生産は一般的だが、その逆は珍しい。

 「この台数で国内生産を維持するのは非常に難しい。だが、(国内生産を)あきらめたくなかった」。志賀COOは同日の発表会で、月販目標600台のシルフィを追浜工場で生産する意義を問われ、率直な思いを吐露した。

 シルフィは2016年に世界で年間50万台の販売を目指す世界戦略車。タイや中国、メキシコで生産するなか、小規模ながら追浜工場を残すためには逆KD生産、つまり部品調達面での“工夫”が不可欠だったからにほかならない。

 基幹部品のエンジンやCVT(無段変速機)は国内で生産するが、外装パネルやホイールなど全部品の65%をタイや中国から輸入する。これによりシルフィ生産を継続、小型戦略車「ノート」の生産移管で低下した稼働率を引き上げ、国内部品メーカーを含めた雇用を維持。日産が掲げる「国内で年間100万台の生産」(カルロス・ゴーン社長)を何としても守る考えだ。

 この一環として、11年10月には九州工場(福岡県苅田町)を分社化して日産自動車九州を設立、ノートの生産を開始した。関東や中部より1~2割低い人件費とアジアに近い立地メリットを生かすためだ。

 ノートには中国や韓国製の部品が4割強使われている。10月からは、1台の貨物トレーラーに日韓両国のナンバープレートを取り付けて、韓国で荷物を積んだまま日本の公道を走れる取り組みも始めた。

 韓国に部品を発注してから九州工場に届くまで25日かかっていたのを3日に短縮、大幅な物流コストの削減にもつなげる。

 長引く円高に乗る

 こうしたコスト削減策で国内生産を維持する一方、逆輸入の拡大にも取り組む。10月には、小型車「マーチ」に続き、タイで生産した中型セダン「ラティオ」を日本市場に投入した。マーチと同じプラットホーム(車台)を使い、現地での部品調達率を9割強に高めることで、8年ぶりの全面改良で性能などを高めたにもかかわらず価格をほぼ据え置いた。

 日産が11年に投入した新型車はわずか1車種だった。それが12年にはノートやラティオ、シルフィなど6車種を相次ぎ発売した。生産地の最適化を追求しながら、柔軟なモノづくりを進めることで積極的な新型車投入につながった。

 だが、国内販売の伸びは鈍い。12年の国内市場は、トヨタ自動車がハイブリッド車(HV)「アクア」「プリウス」で首位の座をキープ。ホンダは軽自動車「Nシリーズ」が好調に推移。1~11月販売は前年同期比でトヨタが40%増、ホンダが52%増となった。

 一方の日産。ノートは好調なスタートを切ったものの、前モデルがヒットしたマーチは振るわない。エコカー補助金の追い風を受けたものの、1~11月販売は13%増にとどまった。

 逆輸入、逆KD生産は勢いを欠く販売の現状を受けた苦しい措置ともいえる。「長引く円高を逆手に取ったコスト削減策」(証券アナリスト)と評価する向きもあるが、為替リスクが常につきまとう。

 高い法人税や人件費など厳しい生産環境下に置かれる日本で、逆KD生産をしてまで稼働率を引き上げることが本当に競争力向上につながるのか疑問だ。何よりも、「既存車をしっかり売っていく」(志賀COO)ことが重要だ。(古川有希)

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