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【クルマ人】スズキ「スペーシア」車名変更の狙いは? 競合相手に妥協なし!
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スズキは新型の軽自動車「スペーシア」を15日発売する。主力の背高ワゴン「パレット」の後継車種として、子育て世代の家族を主なターゲットに据えた。今回の狙いやコンセプトを熊谷義彦チーフエンジニアに聞いた。
「クラストップの室内長。まずは広いことを強調したい。あとは、90キロの軽量化。ボディー、内装、外装、エンジン、足回りなど車のありとあらゆるものを見直し車両重量は840キロに。(1・7メートル以上の)ハイト(背高)ワゴン型として最軽量になった。ガソリン1リットル当たりの燃費も29キロになった」
「いずれも軽ハイトワゴンでトップ。(減速時やブレーキをかけた際に発生するエネルギーを、ヘッドライトやオーディオなど活用し、燃費向上につなげる)スズキグリーンテクノロジーと呼ぶ『ワゴンR』の技術を応用した。ターボ車でもクラストップ。また、これらの燃費あげたことで、エコカー減税100%にもつながった。高水準の走行性能と安全性能。車の基本性能をしっかり磨くことを念頭に開発した。一般的に、走る、曲がる、止まる技術がクルマの基本といわれるが、特に『曲がる』に力を入れた。車両全体の軽量化と低いフロアによる低重心にも気を配った」
「ピラー(窓柱)を60ミリ広げた。広く開放的なデザインも意識し、オーディオ部を前に配置した。前後に50ミリ、インパネ(計器板)を追いやった。インパネは目の前にあるので、視界の圧迫感をなくそうとしたことが狙い。色味にしても、インパネ上部を、明るい色を使うことで、ドアを開けたときに明るい、広さを死角でも感じられるようにした。広い視界を確保したので安心して運転できるようになったと思う。横方向の視界も確保したが、これは現在のパレットを踏襲だ」
「ワンアクションパワースライドドアを軽で初めて採用した。ボタンを押せば、解錠と自動開閉が可能で、両手に荷物を持っていたり、片手に赤ちゃんをだっこしていても、不自由がない。今までのパレットと同じで、27型の自転車も詰めるようにした」
「あと、子育て世代が必ず必要なのが、ボックスティッシュ。ウェットティッシュ、ハンカチ、タオルも必要で、いろんなものを積んでいる。収納をたくさんできるようにしたのも特徴だ。インパネに小窓をつけた。すっきりしたデザインながら、収納を持たせた。ほかにも、チャイルドシートが直射日光が当たらないようにと、据え付けのサンシェードもつけた。小さな子供を持つ、親御さんの気持ちを反映させた」
「スマホで操作できるマップナビも装備した。観光ガイドブック130冊のデータをいれて、あたかも、ガイドブックを読んでいるような表示をする。スマホの連携。天気予報なども。こういうものを用意することで移動が楽しくなるはずだ。子育てファミリー、男女問わず、楽しんでもらえると期待している」
「最初は、パレットだった。1回目の試作車ができたとき、いろんな社内の人に乗ってもらった。『こんなに広くなったのなら、ひとことで、車名から広くなるようなイメージになれば』と昨年夏に言われたのがきっかけだ」
「今まで、パレットを売ってきて、従来ユーザーからは好評をいただいてきた。並べると、さらに広くしたいと。コンセプトは、子育てをサポートすること。子育て世代が今どんな車を持っているのか、どんな車を望んでいるのか。ティッシュボックスがあると、生活くさい、そこを解消したかった。子育てファミリーは、同じ車を10年乗る。子供が育っても、不満なく良かったね、といってもらえる車を開発できた」
「ピラーたてたり、広げたので、そのままだと、燃費は悪くなった。ワゴンRのときよりも、常に開発しているものを盛り込んだ。開発が進む技術を盛り込んだ。まったく同じだと悪くなるが、さらに開発を進めて、実現した。重さは、ワゴンRの方が軽いが、今回、頑張って軽くした。かなりこれが寄与した」
「(一昨年に)ホンダからN BOXが出たが、うちの中では、すでに開発が始まっていた。低燃費など、必要十分なところを詰めていった。財布に優しいというところもコンセプトに持って行った。重たくすると、走りがふらふらする。
ホンダのN BOXとは違った方向になった」
「コストを下げる努力は、本当に、色々。デザインもからむ。細かい積み重ね。ワゴンRのプラットフォーム(車台)、エネチャージの単品部品すべてをコストダウン。強度をあげながらの積み上げで、コストダウンをやった。収益性については大丈夫としか答えられない。競争については、本当に厳しい。他社がいい車をだして、伸ばしている。うちはうちで、きちんとした車を出そうと。燃費も走破性も良い。お客に応えていけるのではと。小回りも一番効くように。ダイハツの『タント』、ホンダ『N BOX』の競合相手として、軽として妥協してはいけないと」
「軽量化は、命題だった。各設計部門に何度も打ち合わせしてやった。1回目は達しないならば、また再度。そういうことをやって、なんとかならないか、と。衝突の強度が下がるとこまる。走行性能の大半を車両でチェックしながら、重心なども気にしながら、バランスをとって、ミーティングをさらに積み重ねた」