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モノより価値を届けるフェリシモ 「コレクション方式」に込めた思いとは?

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モノより価値を届けるフェリシモ 「コレクション方式」に込めた思いとは?

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人気の「レザーハンドメイドレッスン」。毎月届く素材と工具で、簡単な革製品から自分で作っていく  カタログ通販大手のフェリシモは、販売する商品がすべて自社のスタッフが企画するオリジナル商品。そして、その販売に「コレクション方式」というスタイルを採っている。商品は基本的に複数個で構成するシリーズもので、1回で販売しない。毎月1つずつ届け、半年や1年かかってすべてがそろう。創業以来のこの独特のビジネスモデルには、「モノを売る」ことを越えた“ある思い”が込められている。

 長くつきあう「コレクション方式」

 5万3千セットを販売し、大ヒット商品となった「500色の色えんぴつ」。この商品を例にとると、毎月25色ずつ届き、20カ月で全部そろう。単品販売や一括販売はしない。徐々にそろっていくのが「コレクション方式」のスタイルだ。

 「1回で届ける価値と複数回で届ける価値は違う」と、矢崎和彦社長はこの方式に込めた理念を説明する。「高額商品を1回売って、それで終わりでなく、細く長くお客さまとの関係を保ちたい。そう思っているからです」

 顧客と直接対面しない通販ビジネスにあって、この方式を採ることで、顧客との“結びつき”という課題を克服、多くのフェリシモファンを獲得した。

 商品には日用品や雑貨など、さまざまなジャンルのものがあるが、1つ1つの商品に「○○会」という名前がついている。購入者はこの「○○会」を指定することで、毎月商品が届くことになる。

 一括契約でなく、1回1回契約する形になっているため、仮に途中でやめたくなったら、いつでも好きなときに購入をストップすることができる。

 自分で作る楽しさと大切さを知る

 商品は“完成品”ばかりではない。人気の商品を紹介すると…。

 昨年5月に発売した「レザーハンドメイドレッスン」。素材(革)と専用工具、作り方のレシピがセットになっており、12回シリーズ(1回3800円)。レシピに従ってキーカバーやカードケースなど、簡単な革製品から自分で作っていき、最後はトートバックを作る。

 好評だったため、第2弾として、縫うだけでバッグ類などが作れるシリーズを今年1月に発売した。こちらも12回シリーズ(1回3600円)。両シリーズ合わせて現在、約5千件の契約があるという。

 「毎月続けていると、次第に腕が上達します。そうなれば楽しくなり、生活が豊かになります。自分で作ったものなら愛着もあるし、プレゼントにもなります」と、コミュニケーショングループの吉川公二部長は話す。

 そしてこう続けた。「私たちは単にモノを売るのではなく、それが創り出す“価値”を大切にしたいと考えています」。ここに同社が「コレクション方式」に込めたもう1つの大きな思いがある。

 モノだけではない商品“価値”とは

 「おひなさまミニチュア会」は、1回2千円で10カ月でそろうシリーズ。雛(ひな)人形など、雛壇を完成させる材料が毎月順に届くもので、「子供の目の前で次第に雛檀ができあがっていく。その過程で、必ず親子のコミュニケーションが生まれるはずです」と吉川部長。

 ここにも同じ思いが込められている。

 商品の「○○会」の名前がおもしろい。ストラップのシリーズには「ヨーロッパの陶器みたいな花柄がかわいい陶玉がゆらめくストラップの会」、ヘアゴムには「切ってひねって革のいろんな表情を楽しむナチュラルで使いやすい革のヘアゴムの会」など、いずれも長い名前がついている。「企画した担当者がそれぞれの思いを込める」(吉川部長)からだそうだ。

 一方、売るのはモノだけではない。

 「輝く人生の主役になるための120の女優レッスン」は、女優やモデルが実践している“美のノウハウ”を、毎月10レッスンずつレクチャーするDVDによる12回の講座。

 ランニングを始めたい人向けの6回の「ハッピー★ランニングプログラム」や、女性神主とタイアップし、強運体質の女性になるための心得をまとめた12回のプログラム「しあわせ小町へのステップアップ!」などもある。

 同社のビジネスモデルを見ていると、商品の“価値”というものについて、改めて考えてしまう。(佐久間史信)

◇会社データ◇ 

本社=神戸市中央区浪花町59

創立=昭和40年5月

事業内容=オリジナル企画商品の通販

売上高=463億円(平成24年2月期)

従業員数=1142人(同24年2月末)

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