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扇風機に吹き始めた“新風” 高級機種の売れ行き好調
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シャープが発売する温度や湿度を見張る機能がついた扇風機=22日、東京都港区 節電意識の高まりを背景に、扇風機の市場が活発化している。特に高機能タイプを中心に売れ行きが好調で、新規需要を取り込もうと、各メーカーがアイデアと技術を競う。成熟市場とされてきた扇風機に“新風”が吹き始めている。
シャープは22日、室内の温度と湿度を見張る機能を搭載した扇風機を4月中旬に発売すると発表した。熱中症の危険性が高まる温度と湿度をセンサーで検知すると、光と音で注意を呼びかけ、自動で最大風量に切り替える。
羽根のない扇風機「プラズマクラスタースリムイオンファン」(想定価格約4万円)をはじめ、円筒型のスリムファンや首が上下にも動く3Dファンなど、3機種で月産計3万2000台を計画している。暑さを自覚しにくい高齢者世帯に向けて売り込む。
一方、パナソニックは、5月20日に、羽根のない扇風機「スリムファン F-S1XJ」(同約3万5000円)を投入するなど、品ぞろえを強化。2013年度に国内だけで35万台の扇風機の販売を目指す。12年度見込みから17%以上引き上げる計画だ。
生活用品メーカーの阪和(大阪市)の新モデルは、アロマの香りを楽しめるのが特徴。4月1日に発売する「DVL-12LF DC モーターメタルリビングファン」(1万7800円)で、カバーにアロマオイル入りのトレーを取り付けると、室内に香りが広がる仕組みだ。
シャープの推計によると、国内の扇風機市場は12年度の約780万台から、13年度は800万台に伸びる見通し。このうち1万円以上の高級機種は、約10%。節電のため、エアコンと組み合わせて使う消費者は多く、今後も高級機種を中心に市場が伸長するとみられ、各社のせめぎ合いは続きそうだ。