ニュースカテゴリ:企業
経営
「PS4」はソニーを救えるか ソフト開発で布石、ゲーム機の復権狙う
更新
ソニーは今年の年末商戦に合わせ、新型の家庭用据え置き型ゲーム機「プレイステーション(PS)4」を投入する。
7年ぶりの刷新となるものの、任天堂の「Wii U(ウィー・ユー)」に続き、米マイクロソフト(MS)からも「Xbox360」の後継機が登場するとみられ、「ハード3強」による激戦は必至だ。
ただ、スマートフォン(高機能携帯電話)の急速な普及でゲームの楽しみ方の変化は著しい。PS4が業績回復の「救世主」になるには、ユーザーにとって魅力的な遊び方を提案できるかにかかってくる。
「PS4の登場で、ゲーム体験は新次元へと進化する。交流機能の飛躍的な強化、さらなる没入感、シンプルで使いやすいインターフェース(接点)で、これまでにない体験を届ける」
ソニーのゲーム子会社、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のアンドリュー・ハウス社長は2月20日、米ニューヨークで開いたPS関連のイベントで、世界から集まった約1200人の報道・業界関係者を前に力強く言い切った。
もっとも、従来の発表会では説明に多くの時間を割いていたハードの詳細な性能には言及せず、価格や発売日も未公表。代わりに強調したのは、交流機能でどんな体験ができるかだった。
披露された新しいコントローラーの目玉となる機能は「シェアボタン」。ひと押しすれば、自分が操作したゲームのプレーをインターネットで生中継したり、お気に入りのシーンをソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブックで友人と共有したりできる。複数のプレーヤーの位置をカメラで把握することで、ゲーム内のキャラクターを同じ順番で配置したり、特定のキャラクターに話しかけたりできる。
ただ、スマホやパソコンで交流ゲームを楽しむ人が増え、短時間で遊べるようなゲームが人気を集めるなど、ゲーム専用機には逆風が吹く。ソニーは2012年10~12月期のゲーム事業の売上高が2685億円と、前年同期に比べ15%も減少。11年12月に発売した携帯ゲーム機「PS Vita(ヴィータ)」の不振で、今年2月には携帯ゲーム機の12年度販売計画を1000万台から700万台に下方修正した。
競合の任天堂が12年の年末商戦に投入したウィー・ユーも苦戦。3月末までに550万台を見込んでいた販売台数を、1月に400万台へと引き下げた。
ゲーム専用機の復権に向け、ソニーの平井一夫社長は「ハードも大事だが、新しいビジネスモデルにどう転換していくかだ」と強調する。
このため、PS4ではネット上でサービスを提供するクラウド技術の活用だけでなく、ソフト面での布石も打った。
パソコン向けの技術を使うことで、パソコン用ゲームのノウハウがあればソフトを開発できるように門戸を広げたのだ。PS4向けソフトの開発を表明したメーカーは現在149社に上り、うち4社はアジアの新顔という。
ソニーの12年4~12月期連結売上高のうちゲーム事業は約10%を占める。PS4が目指す「未来のゲーム」の成否が、ソニー復活の試金石となるのは間違いない。