30~40代の男性株主 「私は旧松下電工に採用をもらいました。その際、何人かの社員の方にお会いしましたが非常に魅力的な人が多かったです。しかし、平成21年の尼崎工場完成時から、パナソニックの『人』の印象は変わったようです。マスコミからは、偽装請負などブラック企業のようなイメージで語られている。最近聞くのは『追い出し部屋』。人という視点が欠けていると思う」
《株主はかつての国鉄がJRとして民営化され、経営効率化を追求する中で、JR西日本が脱線事故を引き起こしたと指摘。そのうえで、パナソニックも人をリストラし、JR西と同じ轍(てつ)を踏むのではないかとの危惧を唱えた。さらに、パナソニックが注力する航空機の娯楽・通信システム事業について質問を続けた》
男性株主 「現状は世界のトップシェアだが、いずれ追い越される懸念があると思う。国際線と国内線では、数や量が違う(ので戦略は異なる)。また、大手航空会社も小型飛行機に力を入れているが、航空機の娯楽事業の世界的な潮流をどう見ているのか」
《1つ目の「人」に関する質問について、人事担当の中川能亨常務から回答された》
中川常務 「人は貴重な資源であります。株主さまからご指摘ございましたが、この反省を踏まえて、社員の育成活性化をめざします」
《津賀一宏社長も、補足説明した》
津賀社長 「おっしゃいますように、人を大切にする会社であり続けたいと強く思います。一方で人の流動化も必要なことと思います。日本社会全体の中で果たすべき役割を果たしていきたい」
《会場からは拍手が起こる。続いて、航空機の娯楽事業について担当の役員が回答した》
宮部義幸常務 「現在グローバルでシェアを頂いている。次々と手を打って世界ナンバー1の地位を確かなものにしたいです」
《2階席から60~70代の男性。創業者である松下幸之助の精神を切々と津賀社長らに訴えた》
男性株主 「今回の業績は不満足です。役員の方には猛省をお願いしたい。小冊子を持ってきましたが、ここには松下幸之助の商人としての心得があります。この心得を踏まえていれば、今日のような失敗はありえない。幸之助のおっしゃることは神髄です」
《津賀社長が「ありがとうございます」と述べるが、株主が続ける。社長は苦笑いをしながらも真摯に耳を傾け続けた》