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MNP争い、新型iPhone投入緒戦はKDDIに軍配 ドコモの流出止まらず
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KDDI、ソフトバンクモバイル、NTTドコモの携帯電話大手3社から米アップルのスマートフォン「iPhone」の新モデルとなる「5s」と「5c」が先月20日発売後で初のMNP(モバイルナンバーポータビリティ)利用実績が7日、各社から発表され、KDDIは11万800件の転入超過となった。
同社の転入超過トップは24カ月連続。転入が10万件を超えたのは4月以降最大で、ドコモの「iPhone」参入で注目された顧客獲得争いの緒戦は、KDDIに軍配が上がった格好だ。
一方、同日、電気通信事業者協会(TCA)が発表したスマホやタブレット、携帯を含めた端末の純増数(新規契約数から解約を差し引いた数)は、ソフトバンクが27万700件で21カ月連続のトップ。2位はKDDIの23万2700件、NTTドコモは6万6800件の純減だった。
MNPとは、現在利用している電話番号のまま、ほかの携帯電話会社へ契約を切り替えられるサービス。KDDIはユーザーの支持を測定する指標として、このMNPを重視してきた。
2位のソフトバンクは2万2700件の転入超過、3位のドコモは13万3100件の転出超過だった。
好調の要因について、KDDIは「(当社扱いの)iPhone 5s/5cは、つながりやすい800メガヘルツ帯のプラチナバンドに対応している。基地局の整備状況で他社を圧倒するプラチナバンド帯LTEネットワークの優位性が、発売をきっかけにユーザーに認知され、さらに加速した」と説明した。
かねてよりiPhone発売を待ち望んでいたユーザーは多く、キャリア間の乗り換えが増加すると見られたドコモだが、MNPによるユーザー流出の長期低落傾向に歯止めをかけられなかった。
ドコモは「(9月は)新型iPhone発売前の買い控えに加え、iPhone 5sの在庫を十分確保できなかったことが響いた。10月以降に期待したい」。
iPhoneの販売で国内の主要3社が横並びとなり、端末による差別化が難しくなった。つながりやすさやサービスの充実、コンテンツ強化など、端末以外の部分でユーザーを引き付けることができるか、キャリアの真価が問われることになりそうだ。