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みずほ融資問題で、第三者委の調査報告 希薄な債権意識、対応怠るも「癒着、隠蔽はなし」
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みずほ銀行は28日、暴力団関係者らへの融資を放置した問題に関する第三者委員会の調査報告書を公表した。第三者委は、信販会社経由の融資だったため「自行の債権という意識が希薄だった」と指摘し、同行が抜本対応を怠ったと断じた。また問題を把握した西堀利・元頭取ら歴代3頭取間で引き継ぎがなかったことが融資が放置された原因と認定した。
東京都内で会見した委員長の中込秀樹弁護士は、債権が信販会社オリエントコーポレーション(オリコ)に属すると同行が理解していた点に触れ、「(同行の)対応が他社まかせとなり、他社の債権に介入できないという意識が、融資の放置という駄目な対応につながった」と批判した。
報告書によると、問題融資を同行が把握したのは平成22年12月。西堀氏の指示のもとで対応策をオリコ側と協議したが23年6月、東日本大震災後のシステム障害で西堀氏が引責辞任。法令順守の担当部局の人員も大幅に交代し、担当部局間で「(問題に対する)課題認識の断絶が生じた」ため、首脳レベルでも問題が引き継がれなかった。
第三者委は西堀氏の責任について、「(対応策で)一定の指示をしており、西堀氏に問題があったとは考えていない」とした。
第三者委は、融資するみずほ側が顧客を選択できないローンの性質上、「(みずほ銀と)融資先との癒着はない」と判断。同行が金融庁に当初誤った報告をした点についても、「隠蔽などの事実は確認されない」とした。
報告書の提出を受け、同行は28日、塚本隆史会長の退任や佐藤康博頭取を半年間の無報酬とするなどの社内処分を決定。オリコとの反社会的勢力の情報共有化や、同勢力排除の専門部署の設置を柱とする業務改善計画を金融庁に提出する。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で、計画を精査した上で「金融庁で(対応を)判断する」と話した。
第三者委は今月8日、弁護士3人で発足。幹部ら延べ85人からの聞き取り調査や提出資料の点検にあたった。期間が約3週間に限られ、第三者委も報告書で、「資料収集や事情聴取などの調査も(みずほ銀の)任意の協力が前提となる」と限界を指摘。全容解明に十分な調査ができたか疑念を残した。