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自動車9月中間決算 円安効果で7社1兆円 新興国の減速懸念
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自動車大手7社の平成25年9月中間連結決算が6日、出そろった。本業のもうけを示す営業利益はトヨタ自動車が前年同期比81%増と大幅に伸びたほか、スズキ、マツダ、富士重工業の3社が過去最高となった。関連部品メーカーなどを含めた産業の裾野が広く、春闘の賃金交渉のリード役でもある自動車大手の業績好調は景気回復の動きを大きく後押しする期待がある。ただ、一部で新興国の経済減速の影響が出るなど、収益拡大の勢いが続くかは予断を許さない。
「前提となる為替レートを円安方向に見直したことに加え、営業努力など収益改善活動が進捗(しんちょく)していることを見込んだ」
トヨタの小平信因副社長は6日、都内で記者会見し、平成26年3月期の通期業績予想を上方修正した要因をこう説明した。
各社の好業績は、円相場が対ドルで前年同期に比べて約20円の円安で推移した為替水準と、主要市場である北米販売の好調の相乗効果が大きい。円安による中間期の営業利益の押し上げ効果は7社合計で1兆739億円にのぼった。
米国販売が拡大した富士重は「為替を除いた実力でも増益を確保できた」(吉永泰之社長)と強調。ホンダも「強気の販売計画を達成できた」(幹部)と、収益力に自信をみせる。
ただ、「インドなど一部新興国と欧州での販売不振などが主因」(カルロス・ゴーン社長)として通期の業績予想を下方修正した日産の不振に象徴される新興国リスクは、他社にとっても不安の種だ。
通期の東南アジアの販売計画を、前期比15.9%減の8万5千台に下方修正したマツダの小飼雅道社長は「昨年の政府の補助金政策で需要が前倒しとなったタイ市場は今年は厳しい」と分析。ホンダの岩村哲夫副社長も「インドネシアは市場として伸びるが、インドは今の景気の先行きではかなり厳しい」と指摘する。大幅増益を計上した好調組みの中でも、新興国販売の落ち込みが目につく。
さらに、国内販売も正念場を迎える。日本自動車工業会の試算では、自動車取得税など車体課税が見直されないまま、消費税率が8%になった場合、国内の新車販売は58万台落ち込む。増税前の駆け込み需要で短期的には利益の上振れ余地もあるが、増税影響を控え「浮かれてはいられない」(トヨタ幹部)状況だ。
消費税増税に関連して軽自動車税の増税が浮上ずる中、「(増税になれば)賃上げなんて考える時間がない」(スズキの鈴木修会長兼社長)と、業界の増税への警戒感は強く、収益拡大の持続性は見通せない。
(飯田耕司)