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“黒船クルーズ”が関西に攻勢 海にも割安なLCC時代到来か
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プリンセス・クルーズが来年4月に日本市場に投入する客船「ダイヤモンドプリンセス」 関西のクルーズツアー市場に“黒船”が攻勢をかけている。割安なクルーズツアーを展開する米クルーズ会社、プリンセス・クルーズが来春、神戸港発着ツアーを増強。すでに韓国系海運会社など海外勢が割安ツアーを投入している。日本では客船文化は根づいているとはいえないが、景気回復とともにシニア世代を中心に贅沢(ぜいたく)志向が強まっている。海にLCC(ロー・コスト・クルーズ)時代が到来するか注目される。
プリンセス・クルーズは来年4~9月に神戸港発着のツアーを9本展開する。今年の2本から大幅に拡充し、沖縄や台湾をめぐる11万9千円からのコースを用意。相場の半額以下の1泊1~2万円の割安価格を武器に顧客獲得を狙う。
同社は今年4月に日本市場に参入し、大型客船「サン・プリンセス」(7万7千トン)を投入して横浜港発着を中心にツアーを提供。
「手頃な価格が評判で利用は好調だった」(担当者)という。来年は2隻目となる「ダイヤモンド・プリンセス」(11万6千トン)を投入して路線を拡充する。
韓国系海運会社のサンスターラインも平成23年秋から「パンスタードリーム」(2万1千トン)を大阪-釜山間で運航している。19時間の船旅の価格は片道2万5千円で、「ちょっと、ぜいたくしたい」という利用者が増えている。
これに対し迎え撃つ国内勢に危機感が広がりつつある。国内最大の客船「飛鳥II」(約5万トン)を擁する郵船クルーズ(横浜市)の担当者は「顧客流出の心配はある。ただ、相場価格(1泊5~6万円)は下げず、サービスの違いを鮮明にする」と強調する。
豪華客船など高額イメージのあるクルーズツアーだが、海外勢が日本で低価格を実現するのは日本船に比べ運航コストを低く抑えられるためだ。
プリンセス・クルーズは世界中に多くの客船を保有。料理の食材の大量仕入れなどでもコストを削減。外国船籍は税金などが安く済むこともある。
日本のクルーズ人口は年20万人程度。客船文化が根づく米国は1千万人といわれるが、日本でもJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」が人気になるなど、業界関係者は「金銭的な余裕のある高齢者が増加する日本での今後の伸びしろは大きい」とみている。
景気が回復基調をたどるなか、海外勢は「関西はクルーズ人口の成長が見込める」(プリンセス・クルーズ)と指摘。関西では、関西国際空港に就航する格安航空会社(LCC、ロー・コスト・キャリア)が好調だが、海のLCCの波も押し寄せてきた。