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訪日外国人効果は3.3兆円 今後は地方誘導や富裕層の誘致を強化
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家電量販店のラオックス銀座本店には、日本の各種お土産が並ぶ=東京・銀座 観光庁は27日、訪日外国人数が今年、政府目標の1000万人を突破したことによる経済波及効果が約3兆3000億円で、約30万人の雇用を生み出したとの試算をまとめた。政府は観光業を日本の主な産業の一つに育てたい方針で、訪日外国人を増やすための施策を数多く検討中。消費増税で心配される景気の落ち込みを補う効果に期待がかかる。
試算によると、訪日外国人が滞在中に使うショッピング代や飲食代、旅行代金など直接消費額は、国内における旅行消費の総額のうち、約5~6%に当たる1兆5000億円。関連して生じるホテルのサービスや、食事の原材料の仕入れ代などの波及効果を合計した。
政府には少子高齢化による先細りや東京五輪の開催も視野に、訪日外国人を増やしたい構え。金融業はリーマン・ショック以降に勢いを失い、産業構造の中心が製造業からサービス業へ移る過程にあるため、観光業をてこ入れする。
まずは訪日外国人に国内でもっとお金を落としてもらおうと、来年10月から消費税を無税とする対象品目を化粧品や土産物の菓子、地酒などに大幅に拡大。免税取扱店は全国の土産物店などを対象に、現在の倍以上の1万店に拡大して、地方への旅行も誘導する。
経済成長の著しい東南アジアや、中東のイスラム圏の富裕層を誘致する体制作りも奨励。メガバンク3行は、海外発行のクレジットカードで引き出し可能な現金自動預払機への切り替えを進める。東京五輪が開催される2020年に2000万人、30年に3000万人への上積みを目指す。
第一生命経済研究所の永浜利広・主席エコノミストは「訪日外国人が増えれば、国内に落ちる海外所得が増える。国内の企業収益が上がり、株価上昇なども通じて家計の所得増加につながる」と分析している。