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流通2強がオムニチャネル本腰 ネット通販との戦い、新局面へ

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流通2強がオムニチャネル本腰 ネット通販との戦い、新局面へ

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インターネット通販の市場規模  全国に店舗網を持つ流通大手が、インターネット通販と店舗販売を連携させて販売効果の最大化を図る「オムニチャネル」に乗り出している。拡大するネット通販に“リアル”店舗が対抗する戦いの構図は、新たな局面に入った。

 「まさに、一人一人のための究極のショッピング機能だ」。イオンの岡田元也社長は昨年12月20日、オープンした旗艦店「イオンモール幕張新都心」の記念セレモニーで、同モールで初採用した、スマートフォン(高機能携帯電話)と連携した販促システムに自信を見せた。

 来店客はスマホのカメラで食材を撮影すると、料理レシピや割引クーポンが手に入る。また、タブレット端末を無料で貸し出し、ワイン売り場などでは店頭にない商品もその場で注文できる。岡田社長は「商品選択の自由と購入時の利便性、そして楽しさを兼ね備えている」と強調する。

 ライバルのセブン&アイ・ホールディングス(HD)も同月2日、TOB(株式公開買い付け)による通販大手ニッセンHDの買収を発表したが、狙いはやはりオムニチャネルだ。

 コンビニエンスストアなど国内約1万7000店舗で、ネット通販で購入した商品を受け取れるようにする。約3200万人のニッセン会員とセブングループの顧客との相互乗り入れも視野に入れる。

 店舗網で絶対の強みを持つ2社が、オムニチャネルへかじを切る背景には、ネット通販拡大による環境変化がある。

 強み生かす

 経済産業省によると、国内ネット通販市場の規模は、2012年に前年比12.5%増の約9.5兆円に拡大。着用感が重視される衣料品など通販に不向きの品目も、最近は店頭で試着してからネットで安く購入する「ショールーミング」というスタイルが浸透しつつある。野村総合研究所の中村博之上級研究員は「(ネットに客を奪われる)店舗側の反撃手段として、オムニチャネルがクローズアップされてきた」と指摘する。

 流通2社は、店舗の強みはオムニチャネルでも生かされると踏む。ネット通販が普及する米国では、ネットで注文した商品を受け渡す場所の重要性が高まっているが、セブンHDの村田紀敏社長は「勝負を決める“最後の1マイル”が、セブンにはある」と自信を見せる。

 誘客が鍵に

 今後の課題は、店舗へ誘導するシステムの確立だ。普及が進むスマホ向けに割引クーポンを発給する手法は広がりつつあるが、効果的な誘導には、「個々の消費者の嗜好(しこう)に訴える販促が不可欠」(中村氏)。セブンHDは今後、買収するニッセン会員の購入履歴などを分析、販促に活用していくとみられる。

 社内体制の整備も急務。店舗とネットの部署、さらに商品別の担当が縦割りで分かれている状態では現代の消費者にアプローチすることは難しい。

 セブンHDでは、すでにグループ横断型のプロジェクトチームが始動。将来的に、HD内にオムニチャネルを主導する組織も立ち上げる。

 ヤフーが「ヤフーショッピング」の出店手数料を無料とするなど、ネット通販各社もさらなる成長へ次々と手を打っている。ネット通販と店舗のつばぜりあいは、仮想空間とリアルの境界線をまたぎながら激しさを増しそうだ。(佐久間修志)

【用語解説】オムニチャネル

 「オムニ」は「すべて」の意味。複数の販路を組み合わせる「マルチチャネル」を一歩進め、店舗やネット、テレビ、通販雑誌などあらゆる販路を統合して全体の売り上げを最大化することを目指す取り組み。

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