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西武HDが再上場申請 経営の透明化が課題に サーベラスと和解

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西武HDが再上場申請 経営の透明化が課題に サーベラスと和解

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西武HDとサーベラス経緯  西武鉄道やプリンスホテルを傘下に持つ西武ホールディングス(HD)が15日、東京証券取引所に株式上場を申請した。経営方針をめぐり対立していた筆頭株主の米投資会社サーベラスと和解、株式市況も好転したことで平成26年度の早期での上場実現を目指す。西武鉄道の上場廃止から約10年ぶりの再上場となり、時価総額は「数千億円規模」(外資系証券)ともいわれる大型上場となる。

 サーベラスは西武HDに対し、鉄道の不採算路線の廃止や埼玉西武ライオンズ売却などのリストラを迫った。企業価値を上げ、最終的に株式売却で多くの利益を得ようとしたからだ。

 だが、経営権を握ろうと昨年5月までに行った株式公開買い付け(TOB)では株主の理解を十分得られず、同6月の株主総会でも提案した役員人事は否決。米国流のリストラ策には、埼玉県などの地元自治体を始め世論の反発も招いた。

 そのため昨年夏以降は、両者間で「落としどころ」を探る協議が続いた。関係者によると一気に具体化したのは昨年末から。株式市況の好転でサーベラスが姿勢を軟化、これまで約1200億円を投資しており、資金を回収した上で最大限の利益を得るには、市況が好調なうちに株式を売り抜ける必要があった。西武HDは一刻も早い再上場が悲願で、球団も鉄道路線も維持したまま再上場することで両者の思惑が一致した。

 西武鉄道を中核とする西武HDの、平成25年度9月連結決算の売上高は約2400億円で、首都圏では小田急や京王などの私鉄グループとほぼ同じ規模。再上場時の時価総額は「推計で数千億円規模」(外資系証券)ともいう。サーベラスなど大株主が段階的に保有株を売却する計画で、株式の新規発行はない見通し。

 西武HDは東京・赤坂で進む旧グランドプリンスホテルの再開発など、都内に優良物件を多く保有しており、2020年の東京五輪は業績の追い風となる。再上場は投資家にとって新たな投資機会となり、既存株主にとっては換金の機会が得られるなど、市場の流動性が高まる可能性もある。

 ただ約10年もの間、非上場となっていたことや、西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載問題が後を引き、「情報開示に不安が残る」(大手証券)といった指摘もある。今後は経営に、より一層の透明性確保も課題となる。(藤沢志穂子)

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