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LCCと旅行代理店が連携強化 国内ツアー好調、新規客獲得ツールに
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大手旅行代理店と国内を拠点とする格安航空会社(LCC)との連携強化の動きが加速している。JTBは、国内線LCC航空券と宿泊のインターネット予約がセットでできるダイナミックパッケージツアーの取扱額が好調に推移。日本旅行も今月からLCCと組んだパッケージツアーの販売を始めた。国内線LCCの利用者は観光目的が約7割を占めており、旅行代理店側は新規顧客獲得の有効なツールとして期待している。
JTBグループでeコマース事業を手掛けるi.JTB(東京都品川区)は昨年10月下旬、LCCのジェットスター・ジャパンと提携したダイナミックパッケージツアー「るるぶトラベルツアー」の取り扱いを開始。ジェットスターの国内線14路線の航空券と全国約16万の宿泊施設とのプランを自由に組み合わせるもので、今年3月末までの出発分の取扱額は当初目標を4割上回った。
好調の要因は、大手航空会社より往復で最低1万円安いというLCCの運賃だ。また、LCCの場合は当初からキャンセル料がかかるが、募集型企画旅行として販売することで出発日から21日前までならキャンセル料がかからない使い勝手の良さも人気を集めている。
20~30代の観光目的需要を取り込みたいJTB側と、販路拡大を模索していたジェットスターとの思惑が一致した格好だ。i.JTBの担当者は「他のLCCとの連携も広げたい」と意気込む。
ジェットスターは、国内約30の旅行代理店に航空券販売を委託している。閑散期とされる13年10~12月の月別搭乗率はいずれも70%後半で、前年同時期の58~69%と比べて大幅に上昇した。広報担当者は「JTBなどの旅行代理店と提携することで、幅広い顧客層へのアプローチができる」と効果を説明する。
一方、日本旅行は今月から、LCCのバニラエアとピーチ・アビエーションを利用した成田発着の札幌、沖縄行きと関西空港発着の札幌、沖縄、石垣行きのツアー商品を発売した。大手航空会社を利用したツアーと比べて最大5割ほど安いという。
LCCのビジネスモデルは、安全面以外の費用を徹底的に省くことで利益を確保する。このため、ジェットスターなどLCCの航空券販売は就航当初、自社のインターネットサイトを利用した直接販売が中心で、旅行代理店に手数料を支払う必要のあるツアー商品の発売に消極的だった。
しかし、国内では旅行代理店によるツアー商品の販売が占める比重が海外よりも高く、LCC各社は搭乗率を向上させようと、代理店との提携を強めている。
JTB総合研究所によると、LCC就航当初は遅延や欠航の多さ、大手航空会社とのサービス面での違いなどが話題となったものの、利用者は着実に増えている。昨年のゴールデンウイークの国内線LCC搭乗者数は約17万人と、航空機利用者全体の約5.8%にのぼった。
大手旅行代理店も「高速バスや日帰り旅行を楽しむ学生や女性のグループ客に、LCCがかなり浸透している」とみており、両者の連携は今後さらに深まりそうだ。