ニュースカテゴリ:企業
メーカー
紙おむつ、大人用も豊富な品揃え メーカー各社、生き残りへ競争激化
更新
国内紙おむつの市場規模 国内で少子化の流れが進む中、紙おむつメーカー各社が新機軸の戦略を相次いで打ち出している。子供用では、ユニ・チャームや大王製紙が「パンツタイプ」に注力するほか、大人用の市場規模拡大を見据えた研究開発も手を緩めない。成熟市場の紙おむつ市場で、生き残りのための競争が激化している。
子供用では、パンツタイプの新商品の発売が相次ぐ。乳児が寝た状態で付け外しができるテープタイプより、簡単に履かせられるパンツタイプの人気が高まっているからだ。
ユニ・チャームは5月から、Sサイズ(4~8キロ用)のパンツタイプのおむつを新発売する。同社は、「ムーニー」と「マミーポコ」の2ブランドを合わせたシェアが約35%を占めており、ブランド力でパンツサイズの浸透を図る。
大王製紙は、昨年からSサイズのパンツタイプの発売を始めた。また、「近年は無理に子供のおむつをはずさない傾向がある」といい、Lサイズを上回るビッグサイズなども販売している。同社ホーム&パーソナルケア事業部の松尾将功部長代理は「かつては4割程度だったパンツタイプの割合が、65%に高まっている」と分析する。
「メリーズ」ブランドを展開する花王は4月、酒田工場(山形県酒田市)で新工場を稼働開始する。酒田工場の敷地内に新たな建屋をつくり、中国やロシアなどの海外を含む子供用の需要増に対応する。
同社は、中国安徽省に次いで、年内にインドネシア第2工場でもおむつの生産を開始する方針だ。
一方、大人用の紙おむつでも各社は研究開発力を高めており、豊富なラインアップを取りそろえる。「ライフリー」を展開するユニ・チャームは、使用者の身体の状態に合わせて5段階に分けて対応する。「身長や体重、男女差だけでなく、服用している薬や排泄(はいせつ)リズムなどが千差万別」なためだ。
「アテント」ブランドの大王製紙は鳥取大と共同開発した尿漏れ用のパッドを高齢者施設向け商品として、3月に発売する。男性に多い前方からの尿漏れを防ぐため、パッドにくぼみを設けて後ろ側に拡散しやすいように形状を整えた。
花王は「リリーフ」ブランドを展開。CMに障害者スポーツの選手を起用し、「後ろ向きになりがちなおむつの使用に、前向きになってもらうことを呼びかけている」という。
大人用紙おむつは、高齢者人口の拡大以上に使用へのハードルを低くすることで市場の伸びが見込まれているという。「使い方の例示やおむつを使っても恥ずかしくない風潮づくり」(大王製紙)なども、需要の伸びにかかわってくる。それだけに、各社の商品戦略が売り上げやシェアを大きく左右することになりそうだ。(兼松康)