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認知症サポーター、企業で拡大 スーパーや銀行、行政への橋渡しも
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スーパーや銀行などが認知症の客への対応に苦心している。売り場で迷ったり、通帳をなくしたりする人が目立つためだ。正しい知識を身につけるため、国が増やそうとしている「認知症サポーター」の養成講座を従業員に受けさせる企業が増えてきた。認知症の疑いがある人を早期に発見して行政に橋渡しする役割も果たしている。
スーパーマーケットの食品売り場。突然、高齢者がお菓子を手に取り、袋を破ってむしゃむしゃと食べ始める-。
大手スーパーのイオン幕張新都心店(千葉市)ではこうした場合、頭ごなしに注意せず、声を掛けて様子をうかがうようにしている。必要なら離れた場所に誘導し、落ち着いてから住まいなどを尋ね、家族や行政に連絡するという。
イオンでは「同じ商品を買い続ける」「店内で迷子になる」「レジで支払いができない」「黙って商品を持っていく」など、認知症が疑われる事例に対応できるよう、2007年から認知症サポーター養成講座を従業員に受けさせている。
受講者は現在約3万8000人。「以前はどう対応したらいいか分からなかったが、じっくり話を聞けるようになった」との声がある。
東京都民銀行は13年1月から3カ月で、約1600人の従業員全員が認知症サポーターになった。同行でも暗証番号が分からない、現金自動預払機(ATM)が操作できないといった高齢客からの訴えが急増。不安にさせないよう後ろからは声を掛けず正面から優しく話すなどの対応に努めている。生活に支障があると疑われる場合は、外回りの行員が様子を見に行くこともある。
東京都八王子市の八王子長房郵便局は行政並みの対応をしている。古い大型団地内にあり、客の大半は高齢者。認知症と思われる人は一日に1人や2人ではない。
来るたびにやせていく女性を心配した局長が食事を取れていないと判断し、地域包括支援センターに連絡したり、夫婦ともに認知症の2人を連れて行ったりしたこともある。浅原ユリ子局長は「認知症の顧客に適切な対応ができなければ業務が成り立たない」と語る。