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消費税増税とXPサポート終了でパソコン販売がピーク
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4月の消費税率引き上げを前に、パソコンの出荷台数が急速に回復している。増税前の駆け込み需要に加え、米マイクロソフト(MS)の基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」のサポートが4月9日に終了する買い替え特需も重なり、量販店では平日昼間も大勢の客で賑わっている。
「パソコン販売は前年と比べて2倍以上だ」
ビックカメラ池袋本店のパソコン売り場では、今年に入りパソコンの買い替え需要が本格化した。「15万円くらいの高価格商品も売れている」と販売員の表情も明るい。
電子情報技術産業協会(JEITA)の国内のパソコン出荷台数は、1月が前年同月比63・8%増の106万1000台、2月が同22・2%増の123万7000台と、それぞれ同月では過去最高を記録した。
買い替え需要を喚起した最大の要因は、XPのサポート終了だ。MSはサポートの終了で、よりセキュリティー機能の高い新OSへの移行を促すのが狙い。日本MSの高橋正和チーフセキュリティアドバイザーは「4月9日以降、XPのサポートは一切しない」と強調する。
調査会社IDCジャパン(東京都千代田区)によると、XPの利用者数は昨年末時点で法人が723万台、個人が597万台に上る。こうした利用者らが、消費税率の引き上げを視野にパソコン購入に踏み切ったとみられる。
パソコンメーカー各社も前年同期に比べ販売を伸ばした。富士通は2013年3月期に最終赤字だったパソコン事業が、14年3月期は黒字に転じる見通しだ。
ただ、特需に伴う反動減を懸念する声も多い。富士通は「14年度前半まで若干、買い替え需要は残る。だが、4月以降の反動減はある程度覚悟している」と打ち明ける。
IDCジャパンによると、タブレット端末の13年の出荷台数は前年比67・2%増の743万台で、パソコン市場を侵食しているのは明らかだ。メーカー幹部は「パソコン販売の盛況は今回が最後になる」との声も出ている。