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【Q&A】「IE」脆弱問題 外部から遠隔操作される可能性も
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米マイクロソフト(MS)のネット閲覧ソフト「インターネット・エクスプローラー(IE)」に外部から攻撃される脆弱(ぜいじゃく)性が見つかった。危険性や対策をまとめた。
Q IEで見つかった脆弱性とは
A IEの中に外部からウイルスに侵入されてしまう未修正の欠陥が見つかった。この状態で攻撃者が用意した悪意あるサイトを開くとウイルスが入り込み、第三者にパソコンの情報が盗まれ、遠隔操作される可能性がある。
Q 実際に被害があったのか
A MSはIEのバージョン9~11で被害があったと公表した。6~11まで未修正の欠陥があるとしている。これを受け、米国土安全保障省がIEを使わないように警告している。日本でも情報処理推進機構(IPA)がIEを利用しないように注意喚起している。
Q MSはどのような対策を取っているのか
A 一時的に呼び掛けているうちの一つにIEのシステムからの分離がある。ほかには、攻撃対象となる情報を消す機能、外部からの侵入を素早く検知する機能の導入を勧めている。ただ基本ソフト(OS)によっては適用できないものもあるほか、一部で使用できなくなる機能もある。MSは欠陥を修正するプログラムを提供する準備を進めている。完成した段階で即座に提供する方針だ。
Q ほかの回避策は
A ネット閲覧ソフトはほかに米モジラ財団の「ファイアフォックス」や米グーグルの「クローム」などがある。IEの危険性を感じ、これらのソフトを使う利用者が増えている。ただ利用環境によって、これらのソフトで閲覧できないアプリケーション(応用ソフト)などもある。
Q 利用者のIE離れが進む可能性は
A ウェブ分析サービスのスタットカウンターによると、国内のIEのシェアは3月の時点で約50%。クロームが約24%、ファイアフォックスが約12%となっている。今回のセキュリティー問題の影響で、IEのシェアが落ちる可能性もある。