SankeiBiz for mobile

ソニー新たな成長戦略見えず 電機部門は苦戦、中韓勢との競争激しく

ニュースカテゴリ:企業の電機

ソニー新たな成長戦略見えず 電機部門は苦戦、中韓勢との競争激しく

更新

 ソニーの平井一夫社長兼最高経営責任者(CEO)は22日、経営方針を発表し、2015年度に4000億円規模の連結営業利益(13年度は264億円)を目指す考えを明らかにした。

 今年度は不振のエレクトロニクス(電機)部門でコスト削減などの構造改革に専念。娯楽や金融などで収益を下支えする計画だ。しかし、電機部門は中韓勢との競争なども激しい上、新たな成長戦略もみえておらず、復活への道のりは険しい。

 「経営方針説明会では異例かもしれないが、やるべきことをやらないと中長期の戦略を描くことはできない。成長のために(電機の)構造改革をやり切る」

 平井社長は、数値目標や具体的な達成に向けた施策を提示できなかったことについて、理解を求めた。電機部門再建やテレビ事業黒字化など就任時に掲げた目標は軒並み未達。「環境変化への対応とスピードが不足し、打つ手が遅れた」(平井社長)ことが原因だ。

 今回の構造改革はパソコン事業の撤退やテレビ事業の分社化まで踏み込み、高コスト体質になっている本社や販売部門にも手をつけた。構造改革費用も13、14年度の合計で約3000億円を計上した。

 ただ、そうした改革だけで電機部門が黒字に戻るかは予断を許さない。

 中核のスマートフォン(高機能携帯電話)の14年度の販売台数は5000万台と13年度(3910万台)から大幅増を見込む。だが、新興国を中心に安価な製品を提供する中国メーカーが台頭。韓国サムスン電子と米アップルの2強でさえ苦戦している。

 テレビは1600万台(13年度1350万台)の販売を見込むが、力を入れる「4K」テレビは価格下落が加速。「プレイステーション4」が好調なゲーム事業も米マイクロソフトが値下げで対抗するなど、取り巻く環境は厳しい。

 一方で、平井社長は「本業のエレキ(電機)とよくいわれるが、娯楽、金融もソニーにとって本業だ」と強調。15年度以降、電機は「売り上げを拡大するより収益を追う」と述べた。

 期待するのが、市場拡大が見込めるインターネットを使ったビジネスだ。スマホやテレビなどへの定額制の音楽配信や映画配信、ゲームの課金ビジネスなど、傘下に電機・音楽・映画を抱える強みを生かす。ただ、現在の売り上げ規模は2000億円程度とされ、「成長エンジン」に育つには時間がかかる。

 構造改革について、市場では「まだ踏み込みが足りない」(証券アナリスト)との声は少なくない。今回の経営方針説明会についても関係者からは「サプライズがないのがサプライズ」と厳しい評価が出た。

 ライバルが事業拡大を打ち出す中、ソニーは成長戦略の手前で立ち止まっている。就任3年目を迎えた平井社長は崖っぷちに立たされている。

 ソニーが発表した経営方針のポイント

 ▽2015年度に連結営業利益4000億円規模

 ▽14年度中にテレビ事業の黒字化などエレクトロニクス(電機)部門の構造改革を完遂

 ▽バッテリー事業を強化

 ▽スマートフォン(高機能携帯電話)事業で日本、欧州に加え、米国市場のビジネス強化

 ▽金融分野で介護事業を第4の柱に育てる

 ▽専門組織の立ち上げで新規事業の創出促進

ランキング