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ソニー、きょうテレビ事業分社化 新社長の今村氏「黒字化に自信ある」
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インタビューに応じるソニーの今村昌志業務執行役員=30日、東京都品川区 ソニーは10期連続の営業赤字に陥っているテレビ事業を分社化、7月1日に新会社「ソニービジュアルプロダクツ」が発足する。社長に就任する今村昌志ソニー業務執行役員は30日、フジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じ、「(分社化により)環境変化に対応して柔軟かつ素早いオペレーションができる」と強調。高精細映像規格「4K」などの高付加価値モデルに注力、黒字化を目指す考えを示した。
ソニーのテレビ事業は2005年3月期から赤字が続いており、平井一夫社長が掲げる電機部門再建の大きなネックになっている。低価格化が進み、韓国のサムスン電子やLG電子など新興国勢の台頭などで事業環境が厳しいからだ。加えて、ソニーは高コスト体質から抜け出せず、過去10年で責任者が6人も代わるなど“迷走”が続いた。
今村氏は11年8月にテレビ事業の責任者に就任。サムスンとのテレビ用液晶パネルの合弁生産解消や生産・開発コストの削減、モデル数の絞り込みなどを進めてきた。
今村氏はインタビューで「天災地変がなければ、(今期の)黒字化に自信がある」と表明。その理由として「(分社化で)私に経営の権限と責任を委ねてもらった。時間を短縮したオペレーションができるようになった」と述べた。
ソニーが持つ映像や音響の技術を強化し、フルハイビジョンから4Kまで地域に合う商品を展開。また為替変動に迅速に対応したり、販売動向に合わせて利益が見込めないモデルの扱いをやめたりすることもできるという。
ソニーは本社部門や販売会社でもコスト削減を進めており、一体となって黒字化を目指す。
今村氏は、責任者に就任した12年3月期のテレビ事業は2075億円の赤字だったが、14年3月期には257億円まで縮小したことに触れ、「やってきた効果と変化は確実に出ている」と述べた。
新会社はテレビの開発・設計や製造、販売などを担当。本社は東京都品川区のソニーシティ大崎で、従業員は約750人。