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化粧品各社、伸び続ける男性向け市場強化 肌ケア意識啓発に本腰
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ファンケルは肌の状態を調べ、しみやしわを予測するサービスを提供している=東京・銀座の「ファンケル銀座スクエア」 男性用のスキンケア商品の需要拡大に向け、皮膚や肌のケアへの関心を高めてユーザーを取り込もうとする取り組みを化粧品各社が強化している。化粧品市場全体が頭打ち状態の中で、伸び続ける男性向け商品で収益を底上げしようという考えだ。
「もっと肌に気を配らないといけないな」。化粧品大手のファンケルが東京・銀座に構える旗艦店で肌のチェックを受けた30代男性は、こんな感想を漏らした。
ファンケルは「未来肌研究室」と名付けたコーナーを店内に設け、肌の状態を調べてアドバイスをするサービスなどを展開。有料の「角層バイオマーカー測定」では肌の内部に含まれるタンパク質を5種類に分け、含有量を検出。データで示すことで、男性にも受け入れられやすい面があるという。
検査を受ける男性はまだ多くはないが、ファンケル総合研究所の副所長を務める松熊祥子執行役員は「男性の肌は実は荒れやすく、しみやしわの兆候も早く出やすいので、肌を保護する必要性を啓蒙(けいもう)したい」と話す。
マンダムは30~40代の男性に浸透させるため、この年代での使用率が比較的高い「ルシード」ブランドの整髪剤にスキンケア商品のサンプルを添付。「ターゲットの層に直接働きかけることができる」(同社)と、きっかけづくりに工夫を凝らしている。
大塚製薬は「ウル・オス」ブランドのスキンケア商品の試供品を、ゴルフ場などに無償で提供。「1本で顔から体までできるスキンケア」をセールスポイントとする商品を、ターゲット層に体感してもらうことで購入につなげようという戦略だ。
一方、コーセーはギフトセットの販売に注力する。「男性用の化粧品は女性が代わりに買うケースが購入機会の7割近くを占める」(同社)といい、父の日やバレンタインデー、誕生日などのイベント向けにギフトセットを売り込む。
経済産業省の生産動態統計によると、国内の化粧品市場は工場出荷額ベースで1997年の1兆5189億円をピークに、近年は1兆4000億円前後で推移し、頭打ち状態となっている。
その中で、2009年に161億円だった男性のスキンケア商品(皮膚用化粧品)は13年には220億円に増加。規模はまだ小さいものの、若年層の清潔意識の高まりで今後も拡大が見込まれることから、各社は新商品の開発にも力を入れている。