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前髪切って、富士額も楽しめる 平松昭子
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Yukata_Hair_Style(イラスト:平松昭子さん提供)。http://kimonosnack.blogspot.com
10年ぶりに前髪を切って髪も黒く染めました。20代は、“おかっぱ”といわれる前髪のあるボブヘアでしたので、自分でよく前髪をカットしていました。しかし、こんなに長く前髪を切らずにいると自分ではさみを入れるのが怖くなってきます。あるとき友達に相談すると、「せっかく富士額なんだから見せた方がいいよ」と言われ、初めて自分のおでこが富士額だと気づきました。鏡をのぞいて生え際をよく見ると、ちょっとゆがんではいましたが、確かに富士額になっていてうれしくなりました。その日から前髪を作りたいとはあまり思わなくなりました。
しかし先日、突然、美容室を変えたくなり、前から気になっていた代官山のサロンを予約。オーナーのMさんにカットとカラーをお願いすることにしました。Mさんは同世代の男性で、私と好きなものが似ているのできっと大丈夫だと思いました。逆に、イラストレーターで漫画も描いていますと自己紹介をした後に、私が全く読まない少年漫画の話を延々とされるような方には恐ろしくて任せられません。Mさんは、私のそんな不安を感じてくれたのか優しくエスコートするように前髪を切り始めました。はさみの手が止まったので、ゆっくり目をあけてみると、そこには20代の頃のような雰囲気の懐かしい私がいました。夢や希望にあふれていた頃の私です。
30代は現実を思い知らされて本当に辛かったので、また何でもできるような意欲がわいてきました。
公式ブロガーとして活躍させていただいているケイト・スペード ニューヨークの8月のテーマは東京です。展示会でこけしのモチーフのおしゃれなネックレスを見つけました。私と同じ前髪のこけしもとても気になってきました。中原淳一の描く着物のおかっぱ頭の女性の絵も改めていいなと思います。でも、喜多川歌麿の絵を見ると富士額にしたくなります。そんな時は短い前髪をねじってアップにして額を出します。今はどちらも楽しめて得した気分です。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS)