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筆ペンで味わい深く 平松昭子
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筆ペン味わい深く(イラスト:平松昭子さん提供)。http://kimonosnack.blogspot.com
登録しているSNSが増えすぎて使いこなせないので半分に減らしました。まずはLINE、Twitter、facebook、Instagramを退会しました。これらはトラブルが多くて大変な目にあいました。私の回りにはSNSの達人が多く、彼らに相談すると私が困っていることは無視すればいいと言います。つまり、グループでの会話も参加したくなければ無言をつらぬき、入りたくなったら会話を始めるんですって! そんな器用なことはできないので、私と似たような性質の妹に相談しました。彼女は2人の小さな子供がいます。「ママ友たちのやりとりで、LINEとかトラブルないの?」と聞くと、「そういうのには一切入っていない」と言われました。「だんなさんは?」「あの人も何もやっていないよ」と、徹底した夫婦。「でも、昭子さんの場合、仕事上必要だったら続けた方がいいんじゃないの?」と言うので、本当に仕事で必要なのか試しに半分減らしてみました。2週間たちますが、何も困ったことは起きませんでした。それどころか、苦手なことから解放されてとても快適です。
妹が「手紙がいいよ」とアドバイスをくれたので今年の暑中見舞いのデザインを考えてみることにしました。
まずは筆ペンで夏のスタイル画と「書中お見舞い」の文字をいくつか書き、いいものを選んでレイアウト。それを見ながらはがきに筆ペンで清書します。完璧なレイアウトが決まっているので本番のはがきの上で迷うことはありません。筆ペンは、ぺんてるの顔料インクのものを使用しています。和のモチーフでなくても筆で書けばどんなものも和のテイストが出せるので不思議。絵が苦手な方は文字だけでもいいと思います。清少納言のように和歌を書いてみてもいいですよね。はがきに香をたいたりしてもすてきです。私は、最近お気に入りの香水をシュッと拭きかけてみようと思います。SNSのようにすばやいお返事はこないと思うけど、シンプルなはがきに少し手を加えて、ゆっくりしたコミュニケーションのほうが私には向いていると気づいた今年の初夏でした。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS)