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束子のブースで見つけた「ささら」 平松昭子
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束子(たわし)のブースで見つけた「ささら」(イラスト:平松昭子さん提供)。http://kimonosnack.blogspot.com
ほとんどの人が知っている有名な「亀の子束子(たわし)」。しかし、実際に使っている人はどのくらいでしょうか。最近、新たにそのよさが見直されて注目を集めているような気がします。
実家の台所で母がフライパンを洗っていたり、ゴボウの泥を落としていた光景は今でも鮮明に思い出す事ができます。25年前から一人暮らしを始め、亀の子束子を初めて買ったのは10年ほど前。フライパンはずっとテフロンを使っていたのでスポンジで洗っていましたが、泥のついた野菜が美味しいと気づいてから亀の子束子を使い始めました。束子の頭には針金をねじった輪がついているので、台所の窓のカーテンレールにS字フックをつけてぶらさげれば簡単に干せます。驚いたのは、何年使っても壊れず、束子の色が茶色のせいか汚れも目立たず、数年間、同じものを使っていました。一度だけ気分転換に新しいものに買い替えただけです。
さて、前回お話しました鉄のフライパンを使うようになってから、ますます亀の子束子の魅力に取りつかれてしまいました。とても不思議なんですが、洗剤を使わず、お湯をかけて束子でこするだけで汚れと油が落ち、フライパンはツルツルピカピカになるのです。いろいろ調べてみると、熱と油と鉄の関係に秘密があるみたいですね。科学の授業のような内容で難しかったため、斜め読みして納得することにしました。
先日、渋谷の東急ハンズに束子の特設ブースがあり、そこで「ささら」というものを初めて目にしました。きしめんのような太さと長さの竹を束にしたような形で、鍋にこびりついた汚れを落とす洗浄器具です。中華料理店でよく使われているみたいです。忙しい厨房(ちゅうぼう)でさっと汚れを落とし、次の料理を炒めるのに便利なんだそう。試しに購入してみました。すると、こびりついた餃子も、甘辛のたれで煮詰めた焦げも簡単に落ちました! 油をたくさん使う料理をしても、洗剤を全く使わず、おすすめです。
でも、束子とささらはテフロン加工のものには使えないので気をつけてくださいね。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS)