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「地銀再編」加速 人口減にらみ競争力強化、ゆうちょ上場も脅威に

ニュースカテゴリ:企業の金融

「地銀再編」加速 人口減にらみ競争力強化、ゆうちょ上場も脅威に

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 地方銀行再編の波が全国に押し寄せている。横浜銀行と東日本銀行に続き、7日には肥後銀行と鹿児島銀行の経営統合交渉が明るみに出た。地銀が都道府県の枠を越えて一緒になる相手を探し始めたのは、人口減少により将来の金融サービスの需要先細りが避けられないためだ。

 7日午後の東京株式市場。肥後銀と鹿児島銀が統合を検討していると伝わると、統合による利益拡大を期待した買い注文が殺到し、両行の株価はそれぞれ年初来高値を更新した。

 「地銀再編時代の幕開けだ」。大和証券の松野真央樹アナリストは一連の動きをこう表現した上で、「財務内容が健全なうちに、他行と統合して先手を打つ前向きな再編の動きが今後も続く」と予想する。

 地銀再編はかつて、不良債権処理で経営が行き詰まった中小銀行を救済する形式が中心だった。直近では、今年10月に経営統合した東京都民銀行と八千代銀行、2016年春の統合を目指す横浜銀と東日本銀などの組み合わせのように、競争力強化を目的とした再編が目立ってきた。

 ただ現状は、景気回復による株価上昇や不良債権の減少で、地銀は業績が回復しつつあり、「再編を急ぐ動機がない」(地銀幹部)と再編には消極的だ。

 こうした中、再編を後押ししているのが金融庁だ。1月には、畑中龍太郎長官(当時)が地銀トップに「業務提携、経営統合を経営課題として考えてもらいたい」と迫った。5月には自民党も成長戦略の提言に地銀の統合・再編をにらんだ広域金融機関の創設を盛り込んだ。

 さらに、「ゆうちょ銀行が上場を目指していることも、地銀再編に拍車をかけている」(大手証券)との指摘もある。ゆうちょ銀は全国233店舗の大半が郵便局と併設されるなど、郵便ネットワークをフルに生かしている。上場で競争力を増せば地銀にとっては脅威となる。

 地域の経済や産業を支えるインフラとして、地銀が自ら発展する経営基盤を確立できなければ、政府が目指す経済の好循環実現は遠のきかねない。(米沢文、小川真由美)

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