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電子部品、空前の好決算 高い自社技術が強み 中韓勢も「まねできない」
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電子部品大手7社の2014年4~12月期連結決算が3日、出そろった。スマートフォンや自動車向けの部品販売が好調で全社が増収増益となった。15年3月期連結決算では、TDK、村田製作所、日本電産の3社が売上高を1兆円の大台に乗せる見通しで、黒子のはずの電子部品メーカーが空前の好決算となっている。
電子部品各社の連結業績は、スマホ需要の拡大や車の電子化を追い風に上方修正が相次いでいる。
「ひとつの目標を達成できる思いだ」。売上高1兆円超えについて感慨を述べるのは、村田製作所の藤田能孝副社長だ。
スマホ内部で電気を蓄える積層セラミックコンデンサーと、周波数の電波を送受信するSAWフィルターの販売が好調で、15年3月期の連結売上高を前期比19.3%増の1兆100億円(従来予想は9650億円)、最終利益を61.0%増の1500億円(1240億円)に引き上げた。
TDKも売上高を9.7%増の1兆800億円(従来予想は1兆500億円)、最終利益を2.5倍の420億円(370億円)に上方修正した。桃塚高和執行役員は「中国のスマホメーカー向け高周波部品の受注が好調」と表情が明るい。
日本電産も売上高を従来の9600億円から前期比14.3%増の1兆円に引き上げた。円安進行や車載向けの精密小型モーターの販売好調が大きな要因だ。永守重信会長兼社長は「M&A(合併・買収)を加速させ、20年に売上高2兆円、30年に10兆円にする」と鼻息が荒い。
スマホやパソコンなどの完成品メーカーが中国や韓国勢との競争で苦戦する一方で、電子部品メーカーは業績好調と対照的だ。電機系アナリストは「全方位外交でビジネスができているのが大きい」と指摘する。
スマホ市場は昨年以降、中国の新興メーカーが台頭し、韓国サムスン電子がシェアを落としているが、電子部品メーカーは取引先の分散化に力を入れている。積層セラミックコンデンサーなどで高いシェアを握る村田製作所は、ほぼすべての端末メーカーや通信キャリアに納品しているという。
また「部品メーカーは生産設備を内製化しており、競合他社はまねできない」(同)。高い生産ノウハウを蓄積し、中国や韓国勢も部品分野に触手できないのが現状のようだ。
電子部品メーカーの15年3月期は好調に推移しているが、死角もある。ある電子部品メーカー首脳は「アップル・ショックを警戒している」と話す。
昨年発売した新型アイフォーンは買い替えサイクルと重なり史上最高の出荷となった。しかし、今年は反動減が予想されている。中国でのスマホ販売も伸びているが、全体の出荷が昨年より落ち込む可能性もある。このため、車載などスマホ以外の分野を伸ばせるかが各社の業績の分かれ目となりそうだ。
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(売上高/営業利益/最終利益)
京セラ☆ 1兆1016(2.8)/902(0.6)/739(6.6)
TDK☆ 8026(8.2)/531(51.9)/345(2.2倍)
村田製作所☆ 7777(19.8)/1611(53.5)/1312(75.8)
日本電産☆ 7537(16.6)/807(30.5)/580(34.8)
日東電工★ 6236(10.5)/823(46.7)/568(49.2)
アルプス電気 5533(9.3)/407(78.5)/285(2.6倍)
ローム 2752(9.1)/320(72.6)/382(72.3)
※単位:億円。カッコ内は前年同期比増減率%。☆は米国会計基準、★は国際会計基準