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スカイマーク、破綻1カ月 エアバス違約金問題が課題
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スカイマークが民事再生法の適用を申請し経営破綻してから、28日で1カ月。同社がスポンサー契約を結んだ投資ファンドのインテグラルとともに、再建を支援する共同スポンサー選びも本格化し、3月上旬にも選定される。一方、超大型機の購入契約解除をめぐる欧州エアバスとの巨額の違約金問題など、不透明な要素も抱えている。
スカイマーク株式は3月1日に上場廃止となるため、27日が最終売買日だった。この日は売り注文が終始優勢で、終値は前日終値比12円安の14円だった。
共同スポンサーには、23日までに航空会社とそれ以外の企業の計約20社が名乗りを上げた。本命視されているのが、全日本空輸を傘下に持つANAホールディングス(HD)だ。同社幹部は「スカイマークの運航面や安全面で当社の知見を生かせる」と語るが、支援に手を挙げたのにはほかにも大きな理由がある。
スカイマークは、「ドル箱」とされる羽田空港の発着枠を1日36往復分持つ。もし他の航空会社が支援企業となり、スカイマークの羽田発着枠を影響下に置けば、ANAグループの戦略にとっては大きなマイナスだ。「防衛上、何らかの行動をする必要があった」(前出の幹部)という。
ただ、スカイマークの地方路線の多くは搭乗率が低迷。収益改善には不採算路線の整理が不可欠だ。具体的には米子空港(鳥取県)発着路線の運航を8月末で休止し、同空港から撤退する方向で検討している。
一方、再建にあたっての最大の不安の種は、超大型機「A380」の購入契約解除をめぐりエアバスから求められた7億ドル(約830億円)の違約金問題だ。現状、違約金は「額未定」としてスカイマークの負債総額(約710億円)には含まれていないが、エアバスは今後、最大規模の債権者となる可能性がある。
共同スポンサーの支援策も盛り込んだ再生計画案は6月下旬の債権者集会で債権者の同意を得る必要がある。スカイマークとエアバスが折り合えなければ、再生手続きそのものが崩れかねない危うさをはらむ。