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たとえスマホに苦戦しても… カーナビ事業から手を引かないパナソニック

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たとえスマホに苦戦しても… カーナビ事業から手を引かないパナソニック

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運転席から後部座席の様子を確認できるカメラ付リアモニター対応のパナソニックのカーナビ  パナソニックがカーナビ事業を強化している。ブルーレイディスク再生機能や、後部座席の様子を映し出す機能を備えた製品を相次いで発売。カーナビは地図機能を持つスマートフォンに押されて苦戦しているが、パナソニックは今後、普及が見込まれる先進運転支援システム(ADAS)参入の足掛かりになるとして重要視している。

 パナソニックは、これまで地上デジタル放送受信機能を持ったナビなどをいち早く商品化し、映像・音響機能を強みに市場をリードしてきた。自動車メーカーが新車の販売時に据え付ける「純正品」を除くと国内シェアトップだ。

 新商品に盛り込んだブルーレイディスク再生機能は、振動が激しく高温になるなど過酷な環境に耐えられる専用設計で、自動車でも鮮明な映像を楽しみたい人に対応した。

 広角のカメラ機能を搭載したリアモニターも発売。後部座席全体を撮影することで、運転席や助手席から子供やペットの様子を確認できるようにした。シニア層やファミリー層向けに販売は好調という。

 進化が続くカーナビだが、映像や音楽を視聴する機能を持つスマホの普及で苦戦。価格競争は激しく、パナソニックも収益が悪化している。それでも新製品開発の手を緩めないのは、ADAS参入を視野に入れているからだ。

 ADASは、カメラやセンサーでさまざまな情報を入手し、自動でブレーキをかけたり走行レーンを修正したりする。運転支援に必要な情報を表示する端末としてカーナビが活用できるというわけだ。

 パナソニックはADASの分野は後発で「周回遅れ」(津賀一宏社長)の状況だが、巻き返しを目指して世界の自動車メーカーと共同開発を進めている。

 パナソニックは平成30年度に自動車関連事業で2兆円の売上高を目指しており、車載用リチウムイオン電池と並んで情報端末を2本柱に位置づける。

 1月に米国で開かれた家電見本市ではパナソニックの情報端末を搭載した米フォードや英ジャガーの実車を展示。インターネットラジオなど娯楽機能を強化したのが特徴で、情報端末でもカーナビで培った技術を武器にしていく考えだ。

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