国内の風力発電に“小旋風” 「洋上」計画本格化、日本の強み生かす
更新これをビジネスチャンスと捉えるのが国内風力発電の総出力約270万キロワット(14年3月末)の約2割を占める最大手、ユーラスエナジーホールディングス(東京都)だ。2020年代前半までに北海道を中心に風力発電を新設し、発電規模を原発1基分の約130万キロワット以上に倍増させる野望を抱く。
すでに稚内市周辺では複数の発電所建設に向けた環境アセスメント(影響評価)に入っており、合計出力60万キロワットを想定している。
北海道は強い風が吹き風力発電の適地が多いが、こうしたエリアは送電網から離れた僻地(へきち)に集中している。このため、ユーラスは北海道北部から総延長約100キロメートルの送電網を整備し、北海道電力の既存の送電網に接続する計画。経済産業省の補助を受けて、事業化調査を行っている。
同じく風力発電に適した東北でも、秋田県由利本荘市や岩手県釜石市周辺で発電所の新設を計画している。総事業費は2800億円程度に上る見込みだが、担当者は「日本のエネルギー改革に貢献したい」と意気込む。
